ソーシャルコマースとは?TikTok Shop・Instagramの活用方法と事例

ソーシャルコマースとは?TikTok Shop・Instagramの活用方法と事例

Date : 2025/11/17

昨今注目を集め、世界的に拡大が続く「ソーシャルコマース」。

SNS上で商品の発見から購入までをつなぐシームレスな購買体験で、2025年6月にTikTok Shopが日本で提供開始となったことから、国内企業としても実装のハードルが一気に下がりました。

本記事では、TikTok ShopとInstagramを中心に、ソーシャルコマースの基本の考え方から活用方法、活用事例までをコンパクトに整理します。

この記事でわかること

  • ソーシャルコマースの定義、従来型ECとの違い
  • SNS別の活用方法、導線設計の基本
  • 国内企業の具体的な取り組みと成功ポイント

▶関連サービス
TikTok Shopコマース総合支援サービス

TikTok上のコンテンツ(=集客・認知拡大)と、コマース(=商品理解・販売促進)の両輪で成果を最大化します。


ソーシャルコマースとは?

ソーシャルコマースとは、SNS上で商品紹介から購入までを完結させる、または数タップで公式ECや外部モールへつなぐ購入導線まで含めて設計された販売の仕組みを指します。従来の“認知はSNS/購入はECサイト”という分断を前提にせず、SNSそのものを販売チャネルの一つとして捉える点が特徴です。

企業はSNSそれぞれの独自機能(商品タグやライブ配信など)を活用し、SNS上で販売まで完結、もしくはECへシームレスに誘導して、購入完了までの遷移を最適化します。

ソーシャルコマースとは、SNS経由で商品紹介から販売までをシームレスに実現するマーケティング手法

ソーシャルコマースとEC(Eコマース)の違い

検索主導の“指名買い”が従来型ECで、発見主導の“気づけば欲しくなる”がソーシャルコマースです。SNS内のコンテンツと決済がつながることで、検討から購入までの距離がぐっと縮まります。

項目Eコマースソーシャルコマース
主な接点検索エンジンや価格比較サイトからの流入フィード/リール/ライブ配信などSNS上の“発見”
購買導線検索エンジン → 外部ECサイトへ遷移して購入SNS内で商品詳細 → カート → 決済まで完結(決済のみ連携サイトにまたがる場合あり)
決済/チェックアウト自社ECやモールで実施・SNSアプリ内決済(例:TikTok Shop)
・外部サイト決済
情報・コンテンツ商品説明・レビュー中心クリエイターの解説やUGC、ライブ接客、ショート動画
推奨の仕組み検索意図/広告ターゲティングソーシャルグラフ+レコメンドアルゴリズムで“偶然の出会い”
売り手の起点自社サイト/ECモール運用公式アカウント運用+クリエイター協業+アプリ内店舗運営

「TikTok Shop」を筆頭に、SNS内完結の買い物が一般化しつつある昨今。この形が広がっている背景には、生活者の情報収集がSNSに寄ってきたことがあります。

総務省の最新調査では、インターネットの利用目的として「SNS(無料通話機能を含む)の利用」が最も高い割合を占めており、SNS自体の利用者規模も国内で約8,400万人という推計が出ています。

つまり、日常的にSNSを見ている流れの中で商品に出会い、そのまま購入という行動が起きやすくなっているのです。

実際、弊社が電通マクロミルインサイト様とおこなった、10代~50代の合計2000人を対象とした共同調査では、商品の「認知」「理解」のみならず「購入・利用・来店」フェーズにおいても「SNS」がきっかけのトップとなっていました。

「購入・利用・来店」フェーズできっかけとなった情報として、「SNS」が54.9%でトップとなっている。

2位:テレビCM 39.2%
3位:企業の公式HP 34.7%
4位:YouTube 34.0%
5位:友人や家族の勧め 33.4%
6位:口コミサイト 31.5%
7位:WEBサイト記事 30.1%
調査期間:2023年11月20日〜2023年11月22日/調査対象者:SNS(X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LINE、TikTokのいずれか)をほぼ毎日利用する、全国の15〜59歳

「テレビCM」や「企業の公式HP」「YouTube」「口コミサイト」などを上回り、意思決定の“最後の一押し”までSNSが担っていることがわかります。

ソーシャルコマースのメリット

ここからは、ソーシャルコマースのメリットをユーザー側・企業側それぞれ見ていきます。

ユーザー側のメリット

ユーザーにとっては、見つけた商品をその場で買える“途切れない体験”が一番の魅力です。

TikTokならフィード動画・LIVE・プロフィールの「Showcase(商品ショーケース)」から直接購入ができ、ライブ配信中にカート投入や即時チェックアウトも可能です。発見 → 詳細確認 → 決済が同じ場所でつながる(※2)ため、ページ遷移のストレスもありません。

企業側のメリット

企業側のメリットは、購入までの道のりを短くしやすいことです。

一般的にECではカート放棄率が約70%(※1)に達するとされ、ページ遷移や入力のたびに離脱が起きがちです。アプリ内で決済まで進められる(※2)ソーシャルコマースなら、余計な移動や手続きを減らせる分、理屈としては離脱要因を抑えやすくなります。

また、発見の起点が検索だけでなく“コンテンツ視聴”に広がることで、新しい層に自然に届きやすくなるのもメリットの一つ。Instagramでは商品タグから商品詳細(対応地域ではアプリ内チェックアウト)や自社ECへ誘導でき、TikTokではクリエイターの動画・LIVEがそのまま“接客”になり、結果として「知った人」を「買った人」に転換しやすい導線が作れます。

TikTok Shopのアフィリエイト機能を使えば、クリエイターが商品を紹介し、売れた分だけ成果報酬を支払う形でUGCを販売促進に活かすことも可能です。

※1)EコマースのUXリサーチをおこなうBaymard Institute社(米)の調査結果より
※2)決済のみ連携サイトにまたがる場合あり

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ソーシャルコマースに活用できる主要SNS

主要SNSは“見つけ方”と“買い方”の設計がそれぞれ異なります。下の比較で、動画/ライブ起点か、投稿タグ起点か、そしてアプリ内で支払いまで済むのかをざっと押さえておきましょう。

プラットフォームアプリ決済ソーシャルコマース関連機能
TikTok(TikTok Shop)◯(日本 2025年6月導入)Showcase(商品ショーケース)
プロフィールの🛍️アイコンから商品一覧を表示し、購入まで案内

商品リンク/商品アンカー
投稿画面で「リンクを追加」>「商品」から動画に商品を紐づけ

LIVEショッピング
配信中に商品をピン留めして紹介・販売

Shopアフィリエイト
セラー × クリエイター連携で紹介・成果報酬を設計
Instagram×(2025年9月以降は外部決済へ移行)商品タグ
フィード/リール/ストーリーズで商品をタグ付けし、商品詳細へ誘導

ショップ/カタログ
コマースマネージャで商品を一括管理
X(旧Twitter)×(アプリ外での決済が前提)ダイナミック商品広告
商品カタログ連携でリタゲ/プロスペクティング配信

コレクション広告/カルーセル広告
複数商品を一画面または横スワイプで訴求、複数リンクに誘導

ウェブサイトカード
画像・動画に外部ECへのリンクボタンを付与
YouTube×YouTubeショッピング(商品タグ/ピン留め):
動画・Shorts・ライブで商品をタグ付け/配信中にピン留め

チャンネルの「ストア」タブ
そのチャンネルの商品一覧を表示

「商品を表示」案内
YouTube上で商品を見つけて購入先へ進むための公式導線を提供

表のとおり、動画やライブで“体験の延長”のまま買いやすいのがTikTokとYouTube(地域限定機能を含む)です。

一方Instagramは、決済が2025年9月から外部サイトに一本化されたため、商品タグで関心を温めつつ、自社ECでスムーズに完了させる設計に寄せるのが基本線になります。

X(旧Twitter)は会話の文脈で商品を見せられる一方、決済は現時点で外部ECでおこなう前提のため、商品カードやプロフィールのショップを「送客導線」として活用すると考えると設計しやすいでしょう。

TikTok Shop(TikTokショップ)のソーシャルコマース活用

ここからは、ソーシャルコマースの代表的なプラットフォームである「TikTok Shop」の基本と、主な活用方法を見ていきます。

TikTok Shopとは

TikTok Shopは、TikTokが提供するアプリ内一体型EC機能です。日本では2025年6月30日に提供が始まり、ショッピング対応の動画/LIVEに表示された商品を、アプリから離れずにチェック・購入できます。

プロフィールには商品一覧を並べられる「Showcase(商品ショーケース)」、日本でも順次導入予定の「ショップ」タブなどの閲覧導線のほか、クリエイターとセラーを成果報酬でつなぐアフィリエイトプログラム、TikTok Shop向けの広告ソリューション、決済体制を備えています。

<関連記事>

TikTokShopのショート動画から購入までの画面遷移の動き。

【「おすすめ」フィードで閲覧してから決済まで、数回の簡単なステップで購入へ】

ショート動画からそのまま買い物画面へ>商品詳細ページから商品を選び、詳細を確認>購入内容の選択>決済プラットフォームと連携し、TikTok内で購入

TikTok Shop活用の方法

商品動画での訴求

ショッピング対応の動画に商品を紐づけ、視聴の流れのまま商品詳細 → カート → 購入へ進める形が基本です。プロフィールの「Showcase(商品ショーケース)」とも連動させると、動画で気になったユーザーが一覧で比較 → 購入しやすくなります。

ライブコマースの活用

LIVEで商品の使い方や疑問解消をリアルタイムにおこない、その画面から直接ブラウズ・購入までつなげます。必要に応じて「LIVE Shopping Ads(ライブショッピング広告)」を使うと、配信の視聴と商品購入の動線づくりを後押しできます。

インフルエンサーとのコラボ

「TikTok Shopアフィリエイト」を使えば、インフルエンサーの動画やLIVEとコラボした商品紹介も可能。インフルエンサーの信頼とフォロワー基盤を活かしたコラボ投稿は、視聴 → 商品タップ → 購入の導線を自然につなぎます。

TikTok Shop活用の事例

ここでは、日本のブランドによるTikTok Shop活用事例をご紹介。実装の流れと成果につながったポイントをコンパクトに整理します。

化粧品業界事例|ライフスタイルカンパニー株式会社「MilleFée(ミルフィー)」「HiCA(ヒカ)」

  • 商品別に動画を最適化し、発見〜購入の導線を短縮
  • MilleFée「リラックマコラボパフ」は美容・パーソナルケア「最高売上動画」1位、HiCA「Cセラム」は動画販売数1位を達成
  • 最高視聴数上位13本中7本を独占

ライフスタイルカンパニー株式会社は、日本版TikTok Shopのローンチ(2025年6月30日)と同時に、自社コスメブランド「MilleFée(ミルフィー)」「HiCA(ヒカ)」でショッピング動画起点の販売を強化。商品特性に合わせて映像表現を最適化し、トレンド性の高い「リラックマコラボパフ」や機能訴求の「Cセラム」など複数SKUで検証を回しました。

結果として、MilleFée「リラックマコラボパフ」は初月で美容・パーソナルケアカテゴリの「最高売上動画」1位を獲得、さらに最高視聴数動画の上位13本中7本を同社が占め、1〜2位も獲得(いずれも7月28日時点・過去30日間集計)。スキンケアではHiCA「Cセラム ビタミンC誘導体6%」が動画販売数1位を達成しました。

出典:ライフスタイルカンパニー株式会社|ライフスタイルカンパニー株式会社、TikTok Shopローンチから初月で美容・パーソナルケアカテゴリで最高売上動画の1位※を獲得!

アパレル業界事例|株式会社Pixie「CARiNOショップ」

  • レコメンドアルゴリズムを意識した“高頻度の動画 × ライブ送客”の掛け合わせで、発見〜購入の導線を短縮
  • ショップ開設から2か月半で累計売上1,860万7,610円、注文1,220件・1,573足を記録
  • 単日450万円のライブ売上達成
@carino.shop

MADE IN JAPAN🇯🇵累計150万足超🥇靴職人が一つずつ丁寧に作りあげるカジュアルレザーシューズ👞 ◾️超軽量設計で歩きやすく疲れにくい ◾️外反母趾の方にもおすすめ幅広4E設計 ◾️軽くて柔らかいイタリア製高級レザー使用 空気を履いた感覚 それで歩こう Dola & A.S.W #靴 #カジュアル #シューズ #TikTokShopこれ買い produced by @CARiNOミゲル^_^👞

♬ オリジナル楽曲 – CARiNOショップ – CARiNOショップ

全国14店舗の小売ネットワークを持つ、靴の専門店「CARiNO」。2025年7月1日、自社ECとしてTikTok Shopをオープンしました。

代表自ら“インフルエンサー(CARiNOミゲル)”として発信し、4Kカメラによる高品質な商品紹介や工場の舞台裏、UGCを組み合わせた共感性の高い動画で関心を醸成。低広告費(約10万円)に抑えながらも、TikTokのレコメンドアルゴリズムを意識した“高頻度の動画 × ライブ送客”の掛け合わせで、認知から購入までの最短導線を構築しました。

その結果、ショップ開設から2か月半で累計売上1,860万7,610円、注文1,220件・1,573足を記録、単日450万円のライブ売上も達成しました。

実店舗の信頼資産とアプリ内決済の即時性をつなげた“リアル × デジタル”のハイブリッド運用も、初速の売上拡大と新規顧客の獲得に寄与したポイントです。

出典:【伝統と新市場の融合】株式会社Pixieが運営する「CARiNOショップ」TikTok Shop開設から2か月半で売上1,860万円突破 ─ 全国14店舗の小売ネットワークから生まれた新たなECモデル

Instagramでのソーシャルコマース活用

ソーシャルコマースの代表的なプラットフォームの一つである「Instagram」(ショップ機能)の基本と、主な活用方法を見ていきます。

Instagramショッピング機能とは

Instagramのショッピング機能は、プロフィールの「ショップ」ボタンや商品詳細ページ、フィード/リール/ストーリーズの商品タグから商品を見つけられる“店頭”のような存在です。

なお、ホーム画面の「ショップタブ」は2023年にナビゲーションから撤廃され、現在はフィード/リール/ストーリーズ/広告など“コンテンツの中”で買い物体験を提供する設計に整理されています。

リールやフィード投稿を活用し、認知〜興味喚起を促しショッピング機能を活用し、理解〜購買までの導線を設計できる

インテリアEC「LOWYA(ロウヤ)」のアカウントを例に、リール>ショッピング機能>Webサイト、の順でソーシャルコマースの流れを説明している。

Instagramでのソーシャルコマース活用の方法

フィードからのショップ連携

フィードのタグから商品詳細へ遷移させ、最終的に自社サイトの決済へ誘導するのが現在の基本動線です。[View shop](プロフィール上の商品一覧)もセットしておくと、フィードだけでなくプロフィール経由でも商品詳細・購入に誘導できます。

リール・ストーリーズでの商品紹介

リールにも商品タグを付けられるため、使用感や着こなしを動画で見せてから詳細へ誘導できます。ストーリーズでは商品ステッカーを使い、1つのストーリーにつき1枚(最大5商品まで)を貼って遷移を作るのが基本です。短尺の“体験映像”とタグを組み合わせ、発見直後の興味を逃さずに商品詳細へつなげます。

インフルエンサー投稿やUGCの活用

要件を満たした公開アカウントであれば、クリエイター側でも商品タグを付けられます(※)。ブランドはこれを前提に、クリエイター投稿やUGC(レビュー・着用動画)を“商品説明の拡張”として設計し、自社投稿と組み合わせて継続的に露出面を広げていくと効果的です。

※ 2025年10月現在、米国、英国、カナダ、イタリア、スペイン、フランス、ドイツ、日本、オーストラリアのみ

Instagramでのソーシャルコマース活用事例

ここでは、日本のブランドによる、Instagramでのソーシャルコマース活用事例をご紹介。実装の流れと成果につながったポイントをコンパクトに整理します。

アパレル業界事例|株式会社ベイクルーズ「BAYCREW’S(ベイクルーズ)」

  • ライブ直後に「紹介アイテム一覧」を公式ブログで即時公開し、比較から購入まで迷わず進行
  • 動画 × 商品タグ × ライブ連動 × ブログ整理の多層設計で、発見直後の熱量を逃さずカート到達率を高める

アパレルアイテムを中心としたセレクトショップ「BAYCREW’S(ベイクルーズ)」は、日々のリール/フィード投稿で着こなし提案をおこない、投稿から自社ECの商品詳細へ誘導する“商品タグ起点”の導線を基本に据えています。

さらに、インスタライブで紹介したアイテムは公式ブログで「インスタライブ紹介アイテム」として即時に一覧化し、配信直後の比較・購入を迷わせない設計に。動画 × 商品タグ × ライブ連動 × ブログ整理という多層の設計で、発見直後の熱量を落とさずカートまでつなげる、コンテンツ起点の送客を実現しています。

インテリア業界事例|株式会社ベガコーポレーション「LOWYA(ロウヤ)」

  • 投稿に商品タグを徹底、タップ → 商品詳細 → EC決済の短い導線を構築
  • 定期インスタライブでサイズ感などを即解消し、その場で商品遷移を促進
  • UGCをECに再掲、実使用画像で信頼と比較検討を強化

インテリアの総合通販「LOWYA(ロウヤ)」は、フィードやリールの投稿に商品タグを付けてタップ → 公式サイトの商品詳細へ移動できる導線を基本に据え、投稿内でも「画像をタップ → 表示されるタグをタップ → 商品詳細ページへ」と具体的な動きを明示しています。

さらに定期的なインスタライブでサイズ感や使用感の質問にリアルタイムで答えつつ、その画面から商品詳細へ誘導。加えて、ユーザーの投稿「#LOWYA」「#LOWYASNAP」を自社ECの#LOWYA by YOUギャラリーに再掲し、実使用画像で検討材料を補強しています。

結果として、投稿(発見)→ タグ → 詳細 → ウェブ決済の流れが短くなり、コンテンツ起点で自然に送客・購買につながる構造ができています。インテリア領域での王道パターンとして再現性が高い事例です。

ソーシャルコマースを導入する際のポイント

まずは「どこで売るか」と「何を見せるか」を決めることが近道です。ここでは、導入時に外せない2つの視点を整理します。

1)自社商品と親和性のあるSNSを選ぶ

商品の訴求軸が「世界観・質感」か「使い方・体験」かで最適なSNSは変わります。

世界観や質感で魅力が伝わる商材(アパレル・コスメ・インテリアなど)は、ビジュアル中心のInstagramと相性が良く、投稿やリールの商品タグから商品詳細→自社ECへ進む導線が王道です。

一方、使い方や効果の“見てわかる”説明が効く商材(キッチン家電・美容家電・生活雑貨など)は、ショート動画やLIVEで実演し、そのまま購入まで短距離でつなげられるTikTokの設計が向いています。

以下の関連記事も参考に、自社商品と相性の良いSNSを選びましょう。

<関連記事>

2)“売れるコンテンツ”を設計する(UGC・インフルエンサーの取り入れ)

販促力のあるコンテンツ制作には、UGCやインフルエンサー活用が有効です。

これらが売上に効く理由は、まず信頼の源泉にあります。テテマーチの研究チーム「サキダチラボ」がおこなった調査でも、Instagramでの高価格商品の購買行動で最も参考にされているものとして「知り合いではない一般人」の投稿(=UGC)がトップに。

Q.購入時に参考にしたInstagramアカウントとして、あてはまるものをすべて選んでください。

知り合いではない一般人:53.4%
企業・ブランドの公式アカウント:38.8%
有名人・インフルエンサー:38.4%
友人・知人:28.5%
情報発信メディアのアカウント:16.0%
調査対象者:Instagramの情報を参考にして10万円以上の商品・サービスを購入したことがある全国の15〜59歳

第三者のリアルな使用感=UGCは“宣伝っぽさ”を薄め、検討の背中を押します。実際、UGCに触れたユーザーは触れていないユーザーよりコンバージョンが大きく伸びるという報告もあります。

次に、文脈と適合性。インフルエンサーは特定テーマのフォロワーを抱えており、受け手の関心軸と投稿テーマが一致しやすいです。日本を含む国際比較の研究でも、フォロワー規模や価値志向との“相性”が購買意図に影響することが示唆されています。つまり「誰に語ってもらうか」を設計するほど、同じコンテンツでも説得力が変わります。

最後に、発見から購入までの距離を縮められる点です。インフルエンサーの投稿やUGCに、商品タグやTikTok Shopのアフィリエイト連携を“標準装備”することで、興味が高まった瞬間を逃さず購入に変換できます。

まとめ

ソーシャルコマースは、「発見の文脈のまま買える導線」をどう作るかが肝心です。

自社商品の強みに合うSNSを選び、投稿・リール・ライブ・商品タグ(あるいはアプリ内購入)の組み合わせで購入までの距離を短くする。この基本を押さえつつ、UGCやインフルエンサーの力で“第三者の納得感”を足していくと成果が安定します。

まずは主戦場を1つに絞り、小さく検証しては改善するサイクルで、運用の型を固めていきましょう。


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