SNSキャンペーン事例15選|Instagram・X・TikTokの成功例・ポイント
Date : 2024/08/20
本記事では「SNSキャンペーン」について、Instagram・X(旧Twitter)・TikTokそれぞれでおこなうメリットやデメリット、自社のキャンペーンに適した媒体の選定方法について解説していきます。
成功事例も15個紹介するため、これからキャンペーンを実施する方はもちろん、なかなか良い企画が作れずお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 企業のSNS部門ご担当者様/デジタルマーケティング部門のご責任者様
- SNSキャンペーンを検討している方
- SNSキャンペーン成果に伸び悩みを感じている方
- SNSキャンペーン成功のポイントが知りたい方
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SNSキャンペーンとは
SNSキャンペーンとは、「『#○○』で投稿して豪華賞品をゲット」「フォロー&いいねで○○をプレゼント」といった参加条件や賞品を設けたSNS上のキャンペーン施策のこと。情報の拡散効果が高く、認知拡大や新規ユーザーの獲得に優れているため、いまや企業にとって必要不可欠なマーケティング施策となっています。
SNSキャンペーンの効果
SNSキャンペーンの主な効果としては下記の3つが挙げられます。
- 商品・ブランドの認知拡大
- SNSのフォロワー増加
- UGC(口コミ)創出
1. 商品・ブランドの認知拡大
SNSキャンペーンは、商品やブランドの認知拡大に非常に効果的です。
特に、ユーザーがキャンペーンに参加するために投稿やシェアをおこなう場合、その内容がフォロワーに広がり、結果として多くの人に認知されるようになります。
また、ハッシュタグを使ったX (旧Twitter)キャンペーンでハッシュタグがトレンド入りしたり、ハッシュタグを使ったInstagramキャンペーンにて該当投稿がハッシュタグ内の人気投稿に選ばれたりすると、既存のフォロワー以外のユーザーにもアプローチでき、認知の幅がさらに広がることが期待されます。
このように、SNSキャンペーンは商品・ブランドの知名度を効率的に向上させることができるのです。
2. SNSのフォロワー増加
SNSキャンペーンでは、一般的にアカウントの「フォロー」を応募条件に設定することが多く、これにより新規フォロワーを獲得することが可能です。
また、その新規フォロワーも、キャンペーン期間中に商品やブランドに親近感を持ってもらえるような発信を積極的におこなったり、キャンペーン終了後の継続的なコミュニケーションをとったりすることで、単なるフォロワーから“ファン”へと引き上げられる可能性があります。
3. UGC(口コミ)創出
「◯◯(商品名)の好きなフレーバーの感想を投稿」「新商品をイメージしたオリジナルエフェクトを使ったハッシュタグダンスチャレンジに参加」といった形で、SNSキャンペーンではユーザー生成コンテンツ(UGC)や口コミの創出が可能です。
特に、ロングセラー商品や、ロイヤル顧客が多いブランドの場合は、商品の感想のほか「ブランドとの思い出」といったテーマの投稿を求めると、“熱量の高いファン”による強力なUGCを生むことができ、他の潜在顧客に自然な形で情報が伝わります。
このような口コミ的な投稿は信頼性が高く、広告以上に影響力を持つ場合も。また、UGCはキャンペーン終了後もブランドの資産として残り、長期的なプロモーション効果を発揮します。
SNSキャンペーンの種類
ここからは、主なSNSであるInstagram・X(旧Twitter)・TikTokそれぞれについて、よく実施されるキャンペーンの種類を紹介します。
Instagramキャンペーンの種類
Instagramで実施されているキャンペーンは、主に以下の3種類に分けられます。
「フォロー」「いいね」の、2タップの動作だけで応募が完了するフォロー&いいねキャペーンは、とにかくフォロワーを増やしたい・アカウントを盛り上げて軌道に乗せたいといった、アカウントの成長目的での実施が多いです。
また、フォロー&コメントキャンペーンは、指定された“絵文字1文字”のみのコメントでOK、といったものから感想コメントをお願いするものまで、キャンペーンによってハードルを調整することができます。
<関連記事>
・Instagramキャンペーン事例|3種類・15事例で学ぶ成功のコツ
X(旧Twitter)キャンペーンの種類
X(旧Twitter)で実施されているキャンペーンは、主に以下の4種類に分けられます。
基本的に、フォロー&いいねキャンペーンが最も応募ハードルが低く、フォロー&リポストキャンペーン、フォロー&コメントキャンペーン、ハッシュタグ投稿キャンペーンの順で徐々にハードルが上がっていきます。
アカウントの成長フェーズやSNSの役割などに沿ったキャンペーン手法を選定することが重要です。
<関連記事>
・【X(旧Twitter)キャンペーン】4種類・16事例で学ぶ成功のコツとやり方
TikTokキャンペーンの種類
TikTokで実施されているキャンペーンは、主に以下の3種類に分けられます。
いずれも、応募者の中から抽選で商品やサービスなどが当選する点において共通していますが、ハッシュタグキャンペーンは、ユーザー自ら動画投稿する必要があるため、やや応募ハードルが上がります。
インフルエンサーキャンペーンは、自社商品・サービスジャンルと親和性があり、かつ自社のターゲット層の価値観に近いファンを持つインフルエンサーをアサインすることで、より大きな効果が期待できる手法です。
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・TikTokキャンペーン事例6選|種類・成功ポイントを解説
SNSキャンペーンの事例
ここからは、実際にInstagram・X(旧Twitter)・TikTokそれぞれでおこなわれた、企業のキャンペーン事例を紹介していきます。
Instagramキャンペーン事例5選
事例1|株式会社ユニクロ
株式会社ユニクロ
<条件>アカウントをフォロー後、応募期間内にアンケートに回答
<賞品>ラウンドミニショルダーバッグ 50名様
<応募期間>2024年7月25日~2024年8月7日
高品質・低価格のカジュアルブランド「ユニクロ」を運営する株式会社ユニクロは、プレゼントキャンペーンを実施。
「ユニクロの日本公式Instagramアカウントに関するアンケート」聴取という、少々ハードルが高い応募条件でありながら、SNSで話題沸騰中のアイテム「ラウンドミニショルダーバッグ」を賞品にすることで、好反応を得ています。
いいねやコメントなどを条件とした、アカウントをブーストするためのキャンペーンではなくフォロワー理解・アカウント戦略の軌道修正や改善のためのキャンペーンである点で、珍しい例だと言えるでしょう。
事例2|コクヨ株式会社
コクヨ株式会社
<条件>アカウントをフォロー後、該当の投稿にいいね
※該当の投稿へのコメントで当選確率UP
<賞品>POOL BLUE色(最もいいね数が多かった色)のノートブック 100名様
<応募期間>2024年6月12日~6月30日
文房具・オフィス家具・事務機器を製造販売するコクヨ株式会社は、フォロー&いいねキャンペーンを実施。
フォローしていいねをする、というシンプルな応募ステップでハードルを低くした上、賞品をカラー別に分け、「推し色投票」というユニークな形で提示したことで、大きな盛り上がりを見せました。全4色(4種)の投稿を合わせて、合計約5,000件ものいいね数を獲得しています。
事例3|株式会社ほっかほっか亭総本部
株式会社ほっかほっか亭総本部
<条件>アカウントをフォロー後、「お花見で食べたいお弁当」をコメント(絵文字でもOK)
※コメント投稿後、プロフィール欄の応募URLからInstagramにログインし、その場で抽選
<賞品>「唐揚(5コ入り)&ポテトバスケット」を無料で獲得できるクーポン 100名様
<応募期間>2024年3月7日~2024年3月31日
「わたしの街の台所」をキャッチフレーズに、全国1,000店舗以上展開する持ち帰り弁当のチェーン店、ほっかほっか亭。自社の人気商品を対象としたフォロー&コメントキャンペーンを実施しました。
賞品が無料クーポンというシンプルさと、参加してその場ですぐ抽選結果が分かる「インスタントウィン」形式特有のワクワク感で、ユーザーが参加したくなるキャンペーンに仕上がっています。
条件となっているコメント内容は簡単にして、参加ハードルは下げつつ、当選者にはアプリのダウンロードというアクションを組み込むことで、リピーターの創出をねらっています。
事例4|株式会社 ファミリア
株式会社 ファミリア
<条件>アカウントをフォロー後、該当の投稿にいいね
<賞品>LeSportsac×familiarコラボアイテム 7名様
<応募期間>2024年6月14日〜2024年6月21日
ベビー服・子ども服ブランド「ファミリア」が運用する公式Instagramは、ニューヨーク生まれのバッグブランド「LeSportsac(レスポートサック)」とのコラボ商品を対象に、フォロー&いいねキャンペーンを実施。
コメントはキャンペーン応募条件に入っていなかったものの、コメント欄には「子供の頃からファミリアのファンです」「素敵なコラボ」と、ポジティブな声が合計2,000件以上寄せられました。
希少なコラボアイテムという点に加え、子供の習い事バッグやマザーバッグなどとして使える、ターゲット層のニーズと合致したアイテムを賞品にした点が成功要因として考えられるでしょう。
また、LeSportsacは昨今、若い世代を中心に改めて人気が加速しているブランド。話題性においても優れたキャンペーン事例でした。
事例5|LINDT & SPRUNGLI JAPAN 株式会社
LINDT & SPRUNGLI JAPAN 株式会社
<条件>以下2つのハッシュタグを付け、Instagram(フィードまたはリール)もしくはX(旧Twitter)で投稿。ハッシュタグ投稿した画面をリンツの店舗で見せる
・#リンドール〇〇〇(フレーバー名)推し
・#推しリンドール総選挙
<賞品>店舗にて、好きなフレーバーの「リンドール」1つ
<応募期間>2024年6月1日~2024年6月28日
スイスのプレミアムチョコレートブランド「Lindt(リンツ)」は、カラフルなパッケージに包まれた人気商品「リンドール」を対象に、人気No.1フレーバーを決めるハッシュタグキャンペーン「# 推しリンドール総選挙」を実施。
豊富なフレーバーと豊富な色味というリンドールの特徴を上手く活かしているだけでなく、キャンペーン参加特典を「店舗で好きなリンドールを1個プレゼント」として、実店舗の集客にもつなげている点で優れた事例だと言えるでしょう。
このキャンペーンには多くの反響があり、途中、投票の中間発表をおこなうなど、大盛り上がりを見せました。
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X(旧Twitter)キャンペーン事例5選
事例1|有楽製菓株式会社
有楽製菓株式会社
<条件>アカウントをフォロー後、ハッシュタグ「# ブラックバレンタイン」と「好きなブラックサンダーシリーズ」を記載して引用リポスト
<賞品>ときめき苺サンダー6箱 9名様
<応募期間>2024年2月14日9時6分〜2024年2月14日10時42分(96分間限定)
「おいしさイナズマ級!」のキャッチコピーでお馴染みのチョコレート菓子「ブラックサンダー」を販売する有楽製菓株式会社は、バレンタインデーをテーマにフォロー&リポストキャンペーンを実施しました。
ブラックサンダーの“ブラック(黒=96)”にちなみ、応募期間を96分間に限定している点が斬新です。
ハッシュタグ「# ブラックバレンタイン」を付けて引用リポストすることを条件としている本キャンペーン。短期間に絞って開催することで、X(旧Twitter)のトレンド入りを狙っています。ブラックサンダーの、バレンタインにおけるブランドの想起率向上に貢献したキャンペーンだと言えるでしょう。
好きなブラックサンダーシリーズを記載して引用リポストすることをキャンペーン参加条件としているため、フォロワー増だけでなく、UGC創出にも貢献するプロモーションになっています。
事例2|アース製薬株式会社・株式会社おやつカンパニー
アース製薬株式会社・株式会社おやつカンパニー
<条件>コラボしている2社のアカウントをフォローし、該当の投稿をリポスト
<賞品>「おやつカンパニー」のおやつとモンダミンのセット 10名様
<応募期間>2024年5月24日〜2024年6月2日
ロングセラー商品「モンダミン」を販売する日用品製造メーカー・アース製薬株式会社と、「ベビースターラーメン」などを販売するお菓子メーカー・株式会社おやつカンパニーとのコラボキャンペーン。
「# おやつのあとはモンダミンをしよう」というオリジナルタグの通り、“おやつを楽しんだ後に口をリフレッシュする”というシンプルでわかりやすいストーリー設計で、違和感の無いコラボに仕上がっています。
2社による豪華な賞品は多くのユーザーの関心を集め、合計約1.3万件ものリポストを達成していました。
業界の異なる2社がコラボしたことで、それぞれのアカウントの既存フォロワーにも製品を周知できたため、単独アカウントでのキャンペーン以上の認知拡大が実現できた事例です。
事例3|Sky株式会社
Sky株式会社
<条件>アカウントをフォロー後、ハッシュタグ「# 名刺管理はSKYPCE」を付け引用リポスト
<賞品>Amazonギフト券5,000円分 30名様
<応募期間>2024年6月7日〜2024年6月23日
ソフトウェアの開発・販売をおこなうSky株式会社は、フォローと引用リポストをしたユーザーの中から抽選で「Amazonギフト券5,000円分」が30名に当たるプレゼントキャンペーンを実施。
定期的に自社サービスの紹介をおこなっている本アカウントですが、同様のプレゼントキャンペーンを頻繁におこなうことでフォローモチベーションを高めている様子がうかがえます。「#名刺管理はSKYPCE」のタグ使用をキャンペーンの必須条件とすることで、サービスの想起率向上も狙っているようです。
事例4|株式会社セールスフォース・ジャパン
株式会社セールスフォース・ジャパン
<条件>アカウントをフォロー後、該当の投稿をリポスト
<賞品>Amazonギフト券𝟭𝟬𝟬𝟬円分 𝟭𝟬𝟬名様
<応募期間>2023年11月15日〜2023年11月19日
クラウド型のCRMソリューションを提供する株式会社セールスフォース・ジャパンは、同社のトップ営業のマインドや成功の秘訣について愛読書から探っていくシリーズ記事「トップ営業の本棚」と連動したX(旧Twitter)キャンペーンを実施。
フォロー&リポストに加え、「トップ営業の本棚」の内容に合わせ、“おすすめのビジネス書を教える”ことも求めたところ、コメントや引用リポストには記事内容への感想なども多数寄せられました。
単なるフォロー&リポストキャンペーンやフォロー&いいねキャンペーンにするのではなく、ノウハウ記事やインタビュー記事などといったサイト内コンテンツと連動させたキャンペーンをおこなうことで、自社のコンテンツ力のアピールや、興味関心の引き上げにつなげています。
また、ユーザーにとっては、この投稿に集まった“おすすめのビジネス書”のコメント自体が有益情報に。投稿を見て回っても楽しめるキャンペーン企画です。
事例5|ハーゲンダッツジャパン株式会社
ハーゲンダッツジャパン株式会社
<条件>アカウントをフォロー後、ハッシュタグ「# ハーゲンダッツを語ろう」を付け、思い出を引用リポスト
<賞品>40周年記念商品を含む「ハーゲンダッツ」の詰め合わせ 100名様
<応募期間>2024年4月30日〜2024年5月20日
プレミアムアイスクリーム「ハーゲンダッツ(Häagen-Dazs)」を販売するハーゲンダッツジャパン株式会社は、創業40周年を記念したフォロー&リポストキャンペーンを実施。
共感を集めやすく、ユーザー同士で盛り上がりやすい「思い出」というお題を提示したことで、大きな反響を呼びました。引用リポスト数は1万7,000件越えを記録しています。
また、記述した思い出の内容をハーゲンダッツの「味」に変換する画像メーカー「Memory Häagen Cup」も用意されており、遊び心のある企画でした。
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TikTokキャンペーン事例5選
事例1|アース製薬株式会社
アース製薬株式会社
<条件>体験型イベント「# 恋するモンダミン歌ってみた」の専用カラオケボックスで“歌ってみた” に挑戦する
<賞品>「モンダミン プレミアムケア ミニボトル 80mL」 先着300名様
<実施期間>2023年12月23日13:00~20:00
ロングセラー商品「モンダミン」を販売する日用品製造メーカー・アース製薬株式会社は、同社のサウンドロゴ「お口、クチュ、クチュ。モンダミン♪」を元にした楽曲、「恋するモンダミン」を使ったキャンペーンを実施しました。
TikTokでは、第1フェーズにて、人気クリエイターユニット「なかねかな。」による楽曲(「恋するモンダミン」)の制作・公開、第2フェーズにて、複数のTikTokクリエイターを巻き込んだ「ハモリチャレンジ」を進行。
キャンペーンには「スーパーライク」(※1)と「インスタントページ」(※2)を活用し、楽曲を歌う投稿に「いいね」を押すと、他のクリエイターが作った動画が並ぶ専用LPへのポップアップが表示されるよう設定。商品サイトに誘導するのではなく、徹底してブランド体験を楽しんでもらう設計にしたことで、結果として、モンダミンの広告認知は26.1%増、商品理解は6.3%増、ブランド想起は10.6%増と、3つの指標で大幅な上昇効果が見られました。
さらに、オフラインイベントでは「なかねかな。」との“デュエット”を疑似体験できる専用カラオケボックスを用意。その体験者を対象に、プレゼントキャンペーンを実施しました。TikTokでの盛り上がりをリアルの場でも体験させることで、ブランドへの愛着を高めることに成功しています。
※1:投稿に「いいね」ボタンを押すと、通常なら「ハート」が点灯するところ、独自のアイコンを表示させられるほか、ポップアップウインドウを出現させ、LPへユーザーを誘導できる機能
※2:TikTok広告の遷移先のウェブサイトを簡単に作成できる機能
事例2|KDDI株式会社(au)
KDDI株式会社(au)
<条件>ハッシュタグ「#ココロオドルほうで」を付けて動画を投稿
<実施時期>2023年1月
大手通信キャリア・KDDI(au)は、年始恒例の特別CM「三太郎シリーズ」とTikTokを連動させたプロモーションを展開。
プロモーションは、テレビCM、TikTokクリエイターを巻き込んだ「ハッシュタグチャレンジ」、一般ユーザーを巻き込んだ「ハッシュタグチャレンジ」の3段階に分けられていました。
このプロモーションでTikTokが担ったのは、“親近感”を抱かせる部分。ブランドに対する若年層の興味・関心を醸成する狙いがありました。テレビCMが放送される前にも、CMに出演するクリエイターが、auの名をあえて伏せたティザー動画をリレー形式でTikTokにアップしていくなど、じわじわと全容が明らかになっていくプロモーション構成に。考察欲を刺激し、若年層ユーザーの心を掴みました。
結果、「#ココロオドルほうで」の動画再生数はTikTokで1億1,000万回を超え、また若年層ユーザーによる多数のUGC生成、4,000件にも及ぶコメント数を記録しています。
事例3|ネスレ日本株式会社
ネスレ日本株式会社
<条件>キットカットを持ちながら、デュエット機能を使った「PPAP キットカット よくばりダブルver.」ダンス動画を撮影。ハッシュタグ「# キットカットチャレンジ」を付けて投稿
<応募期間>2023年3月6日~2023年5月10日
人気チョコレート菓子「キットカット」を販売するネスレ日本株式会社は、「キットカット」日本発売50周年記念の新製品「キットカット ミニ よくばりダブル 全粒粉ビスケットin & オリジナル」のプロモーションとして、ハッシュタグチャレンジを実施。
新商品の特徴である“よくばりダブル”をしっかりと伝えるインパクトのあるダンスと、ユーザーがオリジナル動画と並んで自分の動画を作成することができる、当時日本では珍しかった「デュエット機能」の活用が、大きな注目を集めました。
シンクロした動きを要する、ややハードルの高いハッシュタグチャレンジであったものの、数多くのUGCが生成され、また、オリジナル動画の視聴数は約9,000万回に上りました。新商品の認知のみならず、店頭での売り上げにも大きく貢献した事例です。
事例4|ディップ株式会社
ディップ株式会社
<条件>楽曲「バイトル!」、エフェクト「はじめてバイト応援」を選択し、ダンス動画を作成。ハッシュタグ「#はじめてバイト応援」を付けて投稿
<開始日>2023年7月7日〜
アルバイト求人サイト「バイトル」を運営するディップ株式会社は、メインターゲットである若年層に向けた「新生活応援キャンペーン」を実施。その中でTikTokでは、オリジナル楽曲・エフェクトを使ったハッシュタグダンスチャレンジを展開しました。
プロモーション色の強い企画を敬遠するZ世代の傾向を踏まえ、本件では、新生活に不安を抱える若年層から実際に募った声を歌詞に盛り込んだ楽曲と、流行りのポーズを取り入れたダンスなど、“共感”や“コンテンツとしての楽しさ”を第一に考えたチャレンジ企画に。
結果として「#はじめてバイト応援チャレンジ」は、TikTok上でUGC投稿数約1,600件、総視聴回数は4,000万回超えを記録しました。ブランドの好意度も6.4%増となっています。(参考:ユーザーファーストが「共感」を呼ぶ。バイトルが実施する、TikTok を活用したコミュニケーション戦略とは)
チャレンジに参加したTikTokクリエイターが動画内で積極的にバイトに関する言及をしたこともあり、コメント欄にてバイトに関連した会話も生まれました。アルバイト=「バイトル」という、ブランド想起向上にも寄与した事例です。
事例5|クラシエ株式会社
クラシエ株式会社
<条件>ハッシュタグ「#推し知育菓子」を付けて投稿し、キャンペーンページから応募
<賞品>知育菓子セット 50名様
<実施時期>2023年10月
知育菓子「ねるねるねるね」「ポッピンクッキン」シリーズなどを販売するクラシエ株式会社。 同社が運営する「みんなの知育ひろば」の公式TikTokでは、ハッシュタグ「#推し知育菓子」を付けて投稿し、キャンペーンページから応募すると、当選者に知育菓子セットをプレゼントするという企画を実施しました。
応募ボタンを押すだけでその場で当落がわかる、手軽なインスタントウィン形式のキャンペーンということで大きな反響を呼びました。キャンペーン動画のいいね数は9,600件を超え、コメント数も700件越えを記録。応募の手軽さで好反応を得た事例です。
SNSキャンペーンを実施する媒体の選び方
ここまで、SNSキャンペーンの概要と成功事例を見てきました。では、実際に自社でキャンペーンを実施する際、何を基準に媒体を選ぶべきなのでしょうか。
その選定基準は、自社のターゲット属性(性別・年齢)や扱う商材ジャンルによって変わります。
<関連記事>
・企業が活用すべきSNSの特徴・選び方|2000名調査で解説
媒体の選定基準1:SNS別のターゲット属性
以下は、電通マクロミルインサイト様と共同でおこなった調査より、SNS利用率のデータを媒体別に切り出したものです。
Instagramが効果的な属性
全年代において女性の利用率が男性を上回っています。特に10代・20代女性はそれぞれ95.0%・93%と、非常に高い割合に。
若年層女性にアプローチしたい場合、Instagramが効果的であることがわかります。
X(旧Twitter)が効果的な属性
前掲したInstagramと比べると、全体的に男女差が小さいことがわかります。
また、Instagramの場合は、全年代において女性の利用率が男性を上回っていましたが、X(旧Twitter)の場合は、20代・30代・40代において男性の利用率が女性を上回る結果に。
男性をターゲットとする場合、X(旧Twitter)が有効だと言えるでしょう。
TikTokが効果的な属性
ややブレはあるものの、年代が下がるにつれて利用率が高くなっていることがわかります。
前掲したInstagram・X(旧Twitter)の利用率には及びませんでしたが、特に10代女性は76.0%と、非常に高い数値を叩き出しました。
近年、ビジネス視点で注目を集めていることもあってか、30代・40代においては女性よりも男性の方が利用率が高い点も特徴的です。
特に10代女性、30代・40代男性は、TikTokも効果的でしょう。
媒体の選定基準2:SNS別の商材ジャンル影響度
次に、Instagram・X(旧Twitter)・TikTokそれぞれについて、商品・サービスに対する媒体の影響力を商材ジャンル別で見ていきます。
Instagramの影響力が強い商材ジャンル
認知段階では、男女ともに「化粧品」「ファッション関連」「外食店舗」に対して影響力が強くなっています。
■商品・サービス認知に与えるInstagramの影響度
※最も利用率の高かった10代のデータを表示
Instagramはビジュアル訴求に優れたプラットフォームであるため、商品そのもの、もしくは商品を利用した時の“見映え”が購買を左右する商材ジャンルは、相性が良いのでしょう。
特に、男女ともに「ファッション関連」は最も影響力が強くなっていますが、女性の場合「化粧品」も同程度に飛び抜けていることがわかります。
コンテンツに“美しさ”や“一貫性のある世界観”が求められる点もInstagramの特徴ですが、化粧品であれファッションであれ、ブランディングが重要になる商材ジャンルはInstagramが適していると言えるでしょう。
X(旧Twitter)の影響力が強い商材ジャンル
認知段階において、男女ともに30%前後の数値を叩き出し、強い影響力を見せたのが「ゲーム/玩具」と「オンラインサービス」です。
「認知」「理解」「購入・利用・来店」(「理解」「購入・利用・来店」のデータはこちら)と、段階が進むにつれ、X(旧Twitter)が各商材ジャンルに与える影響力は弱まっていきますが、特に「ゲーム/玩具」は男女ともに20%以上をキープし続けていました。
■商品・サービス認知に与えるX(旧Twitter)の影響度
※最も利用率の高かった20代のデータを表示
基本的にテキストベースのプラットフォームであるX(旧Twitter)。テキストだけで即座に投稿できるという仕様もあり、口コミが生成されやすい点やリアルタイム性に優れている点が特徴として挙げられます。
最新情報や攻略法、ゲームをプレイした感想、ゲーム仲間との交流など、ゲームはさまざまな“発話”を生む商材ジャンルであるため、X(旧Twitter)との相性が◎。公式もX(旧Twitter)ユーザーはゲームに対して関心度が高く、購入意欲も高い傾向があると発表しています。
ゲームや玩具といった商材ジャンルは、X(旧Twitter)が適していると言えるでしょう。
TikTokの影響力が強い商材ジャンル
女性において「化粧品」「ファッション関連」への影響力が強くなる傾向は、Instagramと共通していましたが、「ゲーム/玩具」への影響力はTikTokの方がわずかに強いという結果に(※)。
※・・・「認知」段階においてInstagramは21.4%・TikTokは26.9%(5.5ポイント差)
※最も利用率の高かった10代のデータを表示
Instagramと同じく、動画(ショート動画)を扱うため、商品を使用したビフォーアフターや生地感・質感などの情報が重要な化粧品やファッション関連といった商材ジャンルにTikTokは有効です。
一方で、TikTokはダンスやコント、ショートドラマ、ショートフィルムなど、エンタメ性の高いコンテンツが主流。ゲーム/玩具という商材ジャンルは、こうしたユニークな切り口でコンテンツを作りやすいため、ユーザーの目に留まりやすいのでしょう。
SNSキャンペーン実施の流れ
テテマーチでは、SNSキャンペーンを以下のように「戦略設計」「施策計画・コンテンツ制作」「分析・改善」の流れでおこなっています。
戦略設計
SNSキャンペーンでは「投稿のエンゲージメント」「自社サイトへの流入」「商品やサービスの購入」などといった目標設定を予めおこなってから企画・実施を開始するのが、成功のためのポイントといえます。
「商品・サービス認知で、とりあえずキャンペーンをやる」などといった、目標がない状態で始めるキャンペーン企画は成功しづらいため、定量的に進捗を把握していきましょう。
まずは前提として、SNSキャンペーンで成し遂げたい“ゴール”は何なのかを整理します。
「アピールしたいもの」「キャンペーン開催目的」「商品・サービスシェア率」「既出UGC有無」などが整理する課題となります。
また、インセンティブを検討する際には、上記で整理したゴールからユーザーの「参加数」や「ブランドへの熱量」を考え、自社商品が良いのか、他社商品が良いのか、そのうえで消費が限定的なもののほうが良いかなど、成し遂げたいゴールに合わせて効果的なインセンティブを選定します。
例えば「ブランド熱量はそこまで高くない、幅広いユーザー」に向けたキャンペーンなのであれば、消費が限定的でなく、大多数の人が使えるギフトカードなどを付与したほうがユーザーにとって魅力的であるといえるでしょう。
施策計画・コンテンツ制作
上記の戦略をもとに、フェーズごとに、誰に向けて情報を発信するのかというターゲットユーザーの設定、SNSマーケティングにおいて追うべき指標である主要KPIなどを定めたロードマップを設計し、キャンペーンの目的と期間を明確にします。
続いて、目的に応じて適したキャンペーンの役割種別を選定します。
投稿種別の主要なものには「フォロー&いいね」「フォロー&リポスト」「フォロー&コメント」「ハッシュタグ投稿」があります。
例えば、「ハッシュタグ投稿」の場合、特定のテーマに対するUGCが生まれるため、ブランドの認知向上・話題化を狙える一方で、参加ハードルが高く、ブランドの認知度によっては参加者数が獲得しづらいといったデメリットもあります。
このような各投稿種別のメリット・デメリットを踏まえた企画をおこない、具体的な発信内容を検討し、コンテンツを作成。また、季節やイベントなど、発信時期に考慮したスケジューリングをすれば、集客効果やブランド認知度の拡大、ファンとの交流も見込めます。
分析・改善
戦略設計、計画に基づいたキャンペーンの実施後は効果検証をおこない、課題点や今後キャンペーンを実施する場合の改善点を考えることが必要です。
例えば、弊社では下記のような指標を検証し、施策の振り返りをおこなっています。
- キャンペーン結果サマリ
- 応募数、新規フォロワー数、CP開始前日のフォロワー数、CP終了日のフォロワー数)
- 応募数と新規フォロワー数
- 日別フォロワー数、新規フォロワー数、応募数、新規応募数、要因分析
- キャンペーン終了後のフォロワー数推移
また、テテマーチでは無料のX分析ツール「SINIS for X」とInstagram分析ツール「SINIS for Instagram」の提供もおこなっています。
■X(Twitter)分析ツール「SINIS for X」
⾃社アカウントの分析から勝ちパターンを発見する機能、自動レポート作成機能まで、オールインワンで搭載
無料の「LITEプラン」でも豊富な機能をご利用いただけます。
- ダッシュボードでアカウントの主要なデータをひと目で確認 ※
- 各投稿のインプレッション数やエンゲージメント数を確認・分析 ※
- 「フォロワー数」の推移を分析 ※
- アカウントデータをCSV形式で一括ダウンロード
※・・・LITEプランでは過去45日間データ取得可
まずは無料登録からお気軽にはじめてみてください。
■Instagram分析ツール「SINIS for Instagram」
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- 「フォロワー数」の推移をグラフで確認
- アカウントの変化を検知・通知し、分析をサポート(ex:「フォロワー増加数が、他の⽇より〇%多いです」など、アカウントごとにカスタマイズされた分析を提⽰)
- 「エンゲージメント率」順など、フィード投稿の並び替え
- リール、フィード、ストーリーズ投稿の分析
- フォロワーの年齢・性別の詳細確認
まずは無料登録からお気軽にはじめてみてください。
まとめ
本記事では、SNSキャンペーンのメリットや媒体の選定方法、成功事例を解説しました。
いまや企業にとって必要不可欠なマーケティング施策となったSNSキャンペーンですが、自社に合ったコミュニケーション方法や、コンテンツ方針が定まらないというご担当者様は多いはず。
ぜひ本記事を、SNSキャンペーン戦略の策定にお役立てください。
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