数十億のエンゲージメントデータを分析し、SNSマーケティングの世界に “基準” をつくる【サキダチラボ対談 前編】
Date : 2025/03/11
テテマーチでは、自社で開発・提供するSaaSツール「SINIS for Instagram」「SINIS for X」を通じて取得した、SNSアカウント80,000件以上の投稿に対しての、数十億エンゲージメントの膨大なインサイトデータを保有しています。
これらのデータの独自性や価値、ビジネス活用について、テテマーチのメンバー2名が対談しました。
2部構成の前半にあたる本記事では、テテマーチやSINIS事業、サキダチラボの取り組みについての概要と、SINISが取得しているデータの特徴について話しています。
話し手
三上 貴由
SaaS事業本部を管掌する執行役員。SINIS事業の方針を決め、チーム全体の陣頭指揮を執っている。
清水 優志
サキダチラボ(未来創造本部)所属のデータアナリスト。SINISが保有するデータの分析業務を担当。社内外のプロジェクトメンバーと連携し、SNSの最新動向やアルゴリズムを研究している。
目次
テテマーチの強みの源泉は、支援事業とSINIS事業の併存にある
【三上】
テテマーチは、SNSを中心としたマーケティング支援やブランドプロデュースを行なう企業です。様々な事業を展開していますが、主要なものは以下の3つです。
- SNSアカウント運用事業
- SNS戦略立案やアカウント運用代行、コンテンツ制作、コンサルティングなどを幅広くサポートする。
- ブランドプロデュース事業
- SNSマーケティング支援で培ったコミュニケーションプランニングのノウハウを活かし、生活者に愛されるブランドを企画・構築する。
- SINIS(サイニス)事業
- Instagram分析ツール「SINIS for Instagram」
- X(旧Twitter)分析ツール「SINIS for X」

【清水】
これらの事業、特にSINIS事業を通じて取得したデータの分析・研究を行なう専門組織が、私が所属する「サキダチラボ」ですね。
サキダチラボは独立したチームというよりは、会社の様々な事業を下支えするR&D部門の位置づけです。
【三上】
テテマーチの強みの源泉は、SNSマーケティングやブランドプロデュースの支援実績と、SINIS事業を通じて取得した膨大なデータをいずれも併せ持っていることです。
代理店として企画やマーケティング、事業開発をお手伝いさせていただくことは、実践的であり学びも多い反面、量の観点でいうと会社のキャパシティを超えた数の案件を担当させていただくことはできません。
一方で、SINIS事業では主にツール提供というかたちで不特定多数の企業を支援できますし、それが膨大なデータを取得できるという強みにもつながります。
この「質」と「量」の両立こそ、テテマーチ流の「Creative × Scientific(クリエイティブ×サイエンティフィック)」の実践だと思っています。
SNSの企業活用が飽和状態だからこそ「Creative × Scientific」が必要
【清水】
三上さんの中での「Creative × Scientific」の整理について、もう少し深くお聞きしてもよいでしょうか?
【三上】
テテマーチでは、企業の ”テーマ” として「Creative × Scientific」を掲げています。これは、現代のマーケティングで必須ともいえる、以下の2つの観点を統合させた概念です。
- Creative: 商品やサービスの魅力を、独創的かつ魅力的なアイデアで表現する力
- Scientific: データに基づいて根拠を示し、論理的に分析・考察する力
特にSNSマーケティングにおいては、2010年代・SNS黎明期の「投稿すればとりあえず生活者の目に留まり、フォロワーが増え、ブランド認知改善や売上増加につながる」という発想の、牧歌的な時代は終わりました。
なぜなら、企業によるSNS参入が増え、ビジネス活用は飽和状態になっているからです。競合性が高まったことで「頑張っているのに成果が出ない」というケースも増えてきました。
だからこそ、競争優位性を磨き、維持し続けるために「Creative × Scientific」が必要になるんだと理解しています。

【清水】
確かに、戦略的なSNSマーケティングを実現している企業は、どこも「Creative × Scientific」を両立している印象があります。
テテマーチはこれまで「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」を受賞した「アース製薬からの脱走」*に代表されるように、あっと驚くような面白い企画(=Creative)のイメージが強かったと思います。
しかし、SINISが保有しているデータにもとづいたロジックやセオリーが強化されてきたことで、Scienceを強みにした支援も可能になりつつありますよね。
*2023 63rd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSにてアース製薬“G目線”の2企画がそれぞれゴールド・シルバー受賞
https://tetemarche.co.jp/news/tete23111601
総エンゲージメント数は数十億!SINISが保有するデータの優位性とは?
【三上】
そんなScienceの基盤となるのが、SINISの保有するデータだと思います。サキダチラボでは、SINISのデータをどのように評価していますか?
【清水】
宝の山のようなデータだと思います。
サキダチラボの分析対象は、主にSINISを通じて取得した、SNSアカウントのインサイトデータ(アカウントのフォロワー数や、投稿のエンゲージメント数などのデータ)です。
「SINIS for Instagram」は2018年9月5日に提供を開始したので、6年以上の運用実績があり、登録していただいているInstagramアカウント数は65,000を超えています*。
1,600万件以上のフィード投稿、2,800万件以上のストーリーズ投稿、180万件以上のリール投稿のデータを保有しており、分析対象となる総エンゲージメント数は数十億という規模です*。
また、「SINIS for X」は2023年6月に(Xの仕様変更を受けて)提供を再開しました。
提供再開後、まだ2年足らずですが、話題の尽きないXのトレンド感や、X関連ツールの提供終了などの影響もあり、既に15,000以上のXアカウントにご利用いただいています。データを取得した投稿数でいうと300万件を超えています。
*いずれも2025年3月時点

【三上】
SINISはフリーミアム*のツールなので、とにかくご利用者様が多いんですよね。無料でサービスを提供すると開発やサポートのコストがかさんでしまうのですが、データ取得の観点から見ると非常に有利です。
*無料で利用でき、必要に応じて有料プランや有料機能を購入するようなサービスの総称
【清水】
そうですね。そして、このような膨大なデータの量もさることながら、SNSのデータの面白いポイントはその内容です。
まず、「コンテンツとエンゲージメントのセット」である点。
SINISでは、SNSの投稿それ単体のデータはもちろん、その投稿に対しての反応(エンゲージメント)のデータも取得できています。したがって「どのような投稿が人気なのか」までを、膨大なデータセットを使って分析することができるんです。
次に、「テキストと画像・動画のセット」である点。
特にInstagramはフィード・ストーリーズ・リールという3つの投稿形式があり、それぞれにテキストや画像、動画といったメディアが紐づいています。
単なるテキストデータだけだと分析の幅はあまり広がりませんが、マルチメディアであることによって、より深く高度な分析ができるんです。
付け加えると、各SNSプラットフォームの公式APIを経由して取得しているデータなので、データの質も担保されています。
そんなデータを、Instagramでは6年以上も蓄積し続けており、総エンゲージメント数は数十億。これだけ恵まれたデータセットは、日本中を探してもなかなか見つからないのではないか?と思うくらい、良質なデータだと思います。

エビデンスは “基準” であり、納得感や意思決定の根幹をなすもの
【三上】
データの量・質ともに、データアナリストの視点でも高く評価できるということですね。
私は、特に長期間のデータを保有している点に注目しています。
SNSはトレンドの変化が激しいので、1年前と今では成果の出る施策も、”成果” の定義も、異なってきます。そして、最新のデータだけを見ていてはそれに気づけない。過去のデータと比較して分析することで、より実践的な考察ができるのではないかと。
【清水】
おっしゃるとおりだと思います。
たとえば、かつて「Instagramのアカウント運用における最重要KPIは『保存数』です」という時代がありました。保存数を増やすことで、最も効率よくリーチ数も増やせるというわけです。
今も保存数が重要であること自体は変わっていませんが、当時と比べると保存数に偏重しているわけではないことが、データからわかっています。いいねも、コメントも、その他のエンゲージメントも、すべての要素がそれぞれ重要です。
これはどういうことかというと、Instagramのアルゴリズムがより賢くなり、「保存」というわかりやすいシグナル以外の要素もしっかりと加味してレコメンドできるようになったのです。公式に発表されているわけではありませんが、たとえば投稿への滞在時間や、投稿閲覧後のプロフィール閲覧やフォローなどですね。
もちろん、Instagramアカウント運用に日常的に関わっている方にとっては、感覚的にわかっている “当たり前のこと” です。
ただ、その裏付けとなる「長期間のデータ」というエビデンスを持っていることが、テテマーチの独自性であり、支援における価値になりうるのではないでしょうか。
【三上】
エビデンスは納得感や意思決定の根幹をなすものですもんね。
特にクライアント支援の現場では、きちんと納得してもらいスムーズな意思決定を促すためにデータを活用できることは十分に「価値」といえると思います。
もっと簡単な例だと「同業他社はどれくらいのエンゲージメント数を獲得しているのか?」「今のフォロワー数だとどれくらいのリーチ数が妥当な目標値だといえるのか?」といった、SNSマーケティングの世界における ”基準” が必要なシーンで、SINISのデータが活躍する印象です。
SINISとしてリリースした「業界トレンドデータ」*は、今も多くのInstagram担当者さんにご活用いただいています。
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000179.000017171.html
SNSはまだビジネス活用の歴史が浅く、経験のある方が社内に少ないケースがよくあるので、担当者も含めて「わからないから決められない」という状況に陥りがちです。
そんなときに、SINISのデータが助けになり、物事が前に進めばいいなと。今後も、我々のデータをそんなふうに “還元” していくつもりです。

本記事を読んでいただき、もし「より本質的なSNSマーケティングに取り組んでいきたい」「テテマーチの『Creative × Scientific』に共感する」「テテマーチの共同調査プロジェクトに興味がある」というSNSマーケティング担当者様がいらっしゃれば、ぜひテテマーチにご相談ください。
▶︎ご相談はこちら:SNSアカウントの伸び悩みを打開!SNS運用の個別相談会
また、「SINIS for Instagram」「SINIS for X」は、いずれも無料から使えるツールです。アカウントのデータはご登録後から蓄積され始めますので、まずはご登録いただくことをおすすめします。
後編では、SINISのデータをどのように分析し、活用しているのか?についてお話ししていきます。