【TikTok Shop機能完全ガイド】実際の使い方と活用テクニック
Date : 2025/08/25
2025年夏、TikTok Shop(TikTok ショップ / TikTokコマース)が日本でも本格始動し、先行投資として導入を検討する企業が急増しています。
ショート動画やライブ配信の熱量を保ったまま “見つける → 買う → シェアする” を完結できることから、従来ECとは異なる運用設計が求められるTikTok Shop。本記事では、そんなTikTok Shopが備える6大機能を分解しながら、企業が成果を最大化するための活用テクニックを網羅的に解説します。
この記事でわかること
- TikTok Shop 6大機能の仕組みと使い方
- 各機能を連動させてCVRとLTVを引き上げる実践ポイント
- 動画コンテンツ最適化のポイント
▶関連サービス
TikTok Shopコマース総合支援サービス
TikTok上のコンテンツ(=集客・認知拡大)と、コマース(=商品理解・販売促進)の両輪で成果を最大化します。
目次
TikTok Shopの全体構成
TikTok Shopは、TikTok上で商品の発見から購入までをワンプラットフォームで完結できるEコマース機能。ユーザーはショート動画やライブ配信を見ながら商品を知り、そのままTikTok内で商品ページに遷移し、購入までスムーズに進めます。
TikTok Shopは「偶然出会う → 欲しくなる → その場で買える」をワンストップで叶えるために、次の6機能をアプリ内に統合しています。
企業やクリエイターにとっても、集客から販売、発送後のフォローまでを同じ場所で管理できるのがTikTok Shopの大きな利点です。ここからは、それぞれの機能について順番に見ていきましょう。
※1)2025年8月現在、日本では一部ユーザーのみの表示
※2)2025年8月現在、日本では未実装の機能
ライブコマース配信機能
基本機能概要
TikTokのライブコマースは、配信者がライブ動画を届けながらリアルタイムで商品を販売できる仕組みです。
視聴者はコメントで質問しつつ、画面に固定表示された商品リンク(ショッピングカード)をタップするだけで価格や商品画像を確認し、そのまま決済へ進めます。エンタメと買い物体験がワンストップで完結するため、購買率を高めやすいのが特徴です。
配信者側の機能

1. 商品の登録・管理/LIVEの管理
- 事前カタログ設定:ライブ開始前に商品名・価格・在庫数・説明文・画像をアップロードできます。
- LIVE管理:視聴者数、配信中の映像、ユーザーコメントの確認が可能です。
2. 配信中の販売管理
- LIVEクーポンの設定:金額割引やパーセンテージ割引を設定できます。
- 売上モニター:売上をリアルタイムで確認可能です。
3. 視聴者エンゲージメント機能
- コメント/質問表示:こまめに回答することで双方向性を強化します。
- ギフト・ハート対応:ギフト/ハート(いいね)などのリアクションに「ありがとう」と即レスすることで、コミュニティ感を高め、視聴維持率を底上げできます。
視聴者側の購買体験

1. シームレスな購入フロー
- ライブを視聴:商品紹介のタイミングで画面に商品リンク(ショッピングカード)がピン留めされる
- 商品をタップ:ポップアップで価格・仕様・配送などを確認
- 配信を見ながら入力:決済情報を入力してもライブ動画は継続再生
- アプリ内で決済完了:カート投入からチェックアウトまでTikTok内で完了
- 視聴継続/再購入も容易:決済後もすぐライブに戻れ、他商品も同様に購入可
2. ユーザー参加型の購買体験
- 他ユーザーの購入が可視化:ライブ中のコメント欄は「私も買った!」「届くのが楽しみ」といった報告で盛り上がります。他人の購入行動がリアルタイムで可視化されるため、“みんな買っている”という安心感を得られます。
- コメントでリアルタイム相談:「サイズどう?」などの質問に配信者や視聴者が答え、疑問が即時に解消されます。
- インフルエンサーとの擬似的交流:名前を呼ばれたり質問に反応されたりすることで、店舗接客に近い親近感が醸成されます。
効果的なライブコマース活用法
ライブコマースは、視聴者と一緒につくる“リアルタイム販売ブース”です。
商品の魅力を視覚的に伝え(見せる)、視聴者の参加感を高め(巻き込む)、最後は限定オファーで背中を押す(今買わせる)。この3要素を意識して企画を組み立てると成果が伸びやすくなります。
ここからは、具体的な手法を紹介します。
<適用しやすい商材例>
- 美容商品:メイクを実演し、ビフォーアフターをリアルタイムで見せる。「肌悩み × 解決策」のセットで訴求。
- 料理器具:ライブ中に一品調理し、火加減・洗いやすさなど“使う姿”を具体的に見せる。
- ファッション:複数サイズ・色違いを着替えながら比較。視聴者の「身長◯cmなら何サイズ?」「骨格◯◯ならどんな着方が良い?」といった質問に回答し不安を解消します。
- フィットネス器具:フォーム指導を交えたミニレッスン形式で使用感を体験させ、「毎日5分でOK」など継続イメージを持たせる。
<企画アイデア例>
- 「視聴者リクエスト通りにフルメイク」:コメントで指定されたテーマ・色味でメイクし、双方向性を演出。
- 「3,000円以下で作る本格パスタ」:器具+食材をセットで紹介し、レシピPDFを配布して保存価値を高める。
- 「骨格タイプ別コーデ診断」:視聴者コメントに合わせてコーデを提案し、該当アイテムをピン留め。
ショート動画内購入機能
基本機能概要
通常のTikTok動画にも、商品リンク(ショッピングタグ)の付与が可能。視聴者はワンタップで価格や在庫を確認し、そのままアプリ内で決済まで完了できます。

動画最適化のポイント
動画は“広告”ではなくタイムラインのエンタメとして流れてきます。まずは面白さで視聴を引き留め、その上で「買いたい」のスイッチを押す構成が欠かせません。
ここでは、視覚的インパクトとストーリーテリングという2つの観点で最適化のコツを整理します。
視覚的インパクト
- 冒頭3秒にフックを:
冒頭の0.5秒~3秒の部分に、視聴者の心を掴むフックを入れることが重要。キャッチーな音楽や効果音、インパクトのあるビジュアル、ターゲットへの呼びかけといった、つい手を止めてしまうような仕掛けが効果的です。 - 動画に“緩急”をつける:
カット数を増やす、ところどころで早回しをするなど、動画に緩急をつけることで見応えのあるリッチな仕上がりに。 - 動画の繋ぎ目をなくす:
動画の冒頭部分と終了部分が違和感無くつながるように編集するのも効果的。シームレスな動画は、ユーザーの集中力を途切れさせることがないため、自然とリピート再生が狙えます。
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ストーリーテリング
- 場面転換で日常に溶け込ませる:
朝の支度 → 通勤 → 仕事終わりなど“1日を切り取った連続シーン”に商品を自然に挿入し、「自分も使うならこの瞬間」と視聴者が使用シーンを具体化できる流れを作ります。 - “悩み → 発見 → 変化”の三幕で感情を動かす:
冒頭で課題を提示し、中盤で商品と出会わせ、ラストでビフォーアフターを提示。15〜30秒でも起承転結を意識すると共感 → 納得 → 購買意欲がスムーズにつながります。 - コメントで“物語の余韻”を誘う問いかけ:
「どのコーデが一番好み?」「時短グッズのここが便利と思った瞬間は?」など結末後に質問を置くと、視聴者は答えたくなりエンゲージメントが増加。アルゴリズム上も拡散されやすくなります。
ショップタブ(マーケットプレイス)機能
※ 2025年8月現在、日本ではユーザーによって表示されない場合もあります。
基本機能概要
TikTokアプリ下部のショップタブは、いわば“アプリ内総合モール”です。ここを開くとファッション・コスメ・家電などのカテゴリーがタイル状に並び、検索・並べ替え・フィルターを使って全出品商品を横断的に探せます。
ライブ配信や動画経由の購入と異なり、能動的に商品を比較できる導線として機能し、ブランド側は“店頭棚”を確保するイメージで商品を陳列できます。

主要機能
| 機能 | できること | 活用ポイント |
|---|---|---|
| カテゴリー別検索 | 「ビューティー」「ホーム&リビング」などジャンルごとの一覧を表示 | 専用カテゴリに登録することで、指名買いユーザーにリーチ |
| セール・特価コーナー | タイムセールやクーポン対象品をまとめて表示 | 期間限定割引を設定し、フロントページへの掲載を狙う |
| レビュー&評価 | 星評価とテキスト/動画レビューを掲載し信頼度を可視化 | ショート動画やライブ配信内でレビューを促し、商品の信頼性を担保 |
検索・発見機能の活用
検索側はキーワード一致度やカテゴリー設定が、発見側は保存数・再生完了率などエンゲージメント指標が主な表示トリガー。つまり「探す」だけでなく「見つかる」導線が共存しているため、「検索向けの言語最適化」と「アルゴリズムが好む反応づくり」を両立することが、露出最大化の近道になります。
TikTok内のSEO対策要素
| 要素 | 活用ポイント |
|---|---|
| 商品名の最適化 | ブランド名+カテゴリ+主要特徴(例:防水/無香料)を40〜150字で整理し、無駄な装飾語は省きましょう。 |
| カテゴリー設定 | TikTok側の絞り込みメニューに合わせて正確なカテゴリを選択すると、関連検索とランキング双方に表示されやすくなります。 |
| 説明文の充実 | 100〜300字で素材・サイズ・使い方・配送などFAQ要素を網羅することで、検索ヒット率と購入率を同時に高められます。 |
その他、ユーザー検索語と一致する「キーワードタグ」を複数つけることや、サムネイルをできるだけ高画質にすることも、流入を増やすには一定程度効果があると考えられます。
決済システム
TikTok Shopの決済システムは、動画・ライブ視聴からわずか数タップで完了する設計です。購入者は商品リンク(ショッピングカード)をタップして配送先を入力し、ワンページで支払方法を選択、確定ボタンを押すだけで決済が確定します。
対応決済方法
ユーザーは以下の主要手段から好きな方法を選択できます。
- クレジット(Visa・Mastercard・JCBなど主要ブランドに対応)/デビットカード
- PayPay
- コンビニ払い(手数料アリ)

配送・物流サポート
海外向けTikTok Shopではプラットフォーム側が在庫保管・ピッキング・梱包、発送までを担う場合もありますが、日本向けTikTok Shopでは出品者が発送まで全て対応します。
出品者自身での配送
セルフ配送では、従来のECと同様に出品者側が運送会社を自由に選び、倉庫から梱包・出荷までを自ら管理します。配送ステータスは主要キャリアのトラッキングAPIと連携でき、買い手への発送通知も自動で送信されるため、既存オペレーションを流用しやすいのが利点です。
TikTok提供のフルフィルメントサービス|Fulfilled by TikTok(FBT)
※ 2025年8月現在、日本では未実装の機能です
一方FBTは、在庫保管からピッキング、梱包、発送、さらには返品処理までをTikTokの提携倉庫が一括代行する公式フルフィルメントサービスで、英国を皮切りに欧州各国へ拡大中です(※1)。標準化された梱包と翌日配送(※2)のスピードが魅力で、物流負荷を最小化しながら顧客体験を底上げできます。
| サービス範囲 | 概要 |
|---|---|
| 在庫保管 | 倉庫へ一括納品すれば在庫管理を委託可能 |
| 注文処理 | 受注‐ピッキング‐梱包を自動化 |
| 配送代行 | 提携キャリアによる追跡付き発送 |
| 返品サポート | 返品窓口・再検品まで一括処理 |
| 多言語CS | 購入者問い合わせをTikTok側が一次対応 |
※ 1:日本導入時期は未発表
※ 2:一部地域でテスト中
アフィリエイトプログラム
TikTok Shopには、クリエイターがブランドの商品を紹介し、成果(売上)に応じて報酬を受け取れる「TikTok Affiliate(ティックトック アフィリエイト)」機能があります。ライブ配信やショート動画に商品リンクを貼るだけで販売が発生するため、ブランドは広告費を抑えつつ販路を拡大でき、クリエイターはコンテンツ制作の延長で収益化を図れます。
ここでは仕組みと参加要件、そしてブランド側が活用する際のポイントを整理します。
プログラムの仕組み
| 1. ブランド(出品者側)が アフィリエイト用の商品リンク とコミッション率(例:5〜15%など)を設定 2. クリエイターがリンク付き動画やライブで商品を紹介 3. 視聴者がリンク経由で購入すると、売上に応じたコミッション が自動計算・支払われる |
決済・トラッキングはTikTok Shop内で完結するため、クリック漏れや手動計測の手間はありません。
参加要件とメリット
クリエイターがプログラムに参加するための条件と、参加後に得られる主なベネフィットを整理すると、次の通りです。
クリエイター側の要件
- 18歳以上であること
- 日本でTikTokアカウントを持っていること
- TikTokのフォロワー数が1000人以上であること
- アカウントに法律違反・規則違反リスクがないこと
ブランド側の活用方法
ブランドがアフィリエイトを最大化するには、クリエイター選定から報酬設計までを戦略的に組み立てる必要があります。
クリエイター選定
まずは検索ツールやハッシュタグ検索を活用し、ターゲット層と親和性の高いクリエイターを抽出。その後、商品サンプルを提供しブリーフィングをおこない、ブランドが期待する訴求ポイントを共有しましょう。
プログラム設計
以下の要素を固めていきます。
- コミッション率(報酬率)
- 紹介商品
- 特別価格・限定商品の提供有無
- インセンティブ
また、クリエイター向けにブランドストーリーのトレーニングを定期的におこない、メッセージの一貫性を保つことも欠かせません。売上額や投稿品質を評価指標に組み込み、ランク制など段階的なインセンティブ(例:ランク制)を導入すれば、クリエイターのモチベーションを高水準に維持できます。
まとめ|TikTok Shopを使いこなすために
本記事では、ライブコマース・ショート動画内購入・ショップタブを中心とする販売導線から、決済・物流・アフィリエイトまで、TikTok Shopの機能と実践的な活用テクニックを紹介しました。
エンタメ視聴と購買が同じ画面で完結する仕組みを最大限に活かすには、コンテンツ制作とオペレーションの両面を最適化し、クリエイターやユーザーと共創する環境を整えることが不可欠です。
正式ローンチ直後の現在こそ、機能を俯瞰して運用フローを固め、社内外のパートナーシップを築いておく絶好のタイミング。TikTok Shopを“売れるチャネル”へ育てる第一歩として、本ガイドをぜひ実践に落とし込んでください。
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