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流行り廃りに踊らされず「好き」を貫く。クリエイティブの創り手の頭の中身

流行り廃りに踊らされず「好き」を貫く。クリエイティブの創り手の頭の中身

Date : 2022/01/27

スマートフォンの普及、SNSの台頭、動画配信サービス、LINEなどのコミュニケーションツールの発展を通して、私たちを取り巻くコミュニケーション環境は大きく変化しました。

そんな新時代のコミュニケーションのあり方を考えるべく、この度、弊社ではSocial談として二日間に渡る大規模なオンラインイベントを開催。さまざまな分野で活躍される有識者やクリエイターお呼びして談義する機会を設けました。

オープニングトークを含めて開催したのは全8セッション。それらの開催レポートを、スペシャルコンテンツとして順次配信して参ります。さて、今回お届けするセッションは「言葉、写真、イラスト。クリエイティブの創り手の頭の中身」。

SNSでは多くの人が日常的に言葉を紡ぎ、 写真やイラスト、映像、音楽を投稿しています。そんな中でもひときわ輝くコンテンツは 一体何が違うのでしょうか? 言葉、写真、イラストのプロに、 コンテンツの今を尋ねます。

動画本編はこちらから

【登壇者】

ソーシャル時代のコンテンツは「共創」がキーに

ふくま:今回のセッションのテーマはクリエイターについてです。SNSでは多くの人が日常的に言葉を紡ぎ、写真やイラスト、映像、音楽を投稿しています。そんな中でも一際輝くコンテンツは一体何が違うのか。言葉、写真、イラストのプロにコンテンツの今を尋ねます。

まず最初はSNSが登場する前後でのコンテンツの作り方や広げ方について。SNSが登場する前と今とを対比したときのコンテンツの変化、阿部さんはどう感じられていますか?

阿部:今回のテーマのお話を事前にいただいたときに、SNSの登場前後でどんな違いがあるのかを考えてみたんです。そこで思ったのは、巻き込み方が異なるということ。ヒッチハイクに例えてみるとソーシャルが生まれる前は、すごく限られた場所でヒッチハイクをやっていたのかなって思ったんです。

多くの人の目に触れない場所で創作されているから「どこかにゴールした」という話だけをニュースなどを見て知るような状況でした。しかし、今は「どこかに行きたい」「なにかをしたい」といった途中段階やゴールに向かうプロセスも含めて知ることができるようになってきています。

なにかをつくるときも、完成してから発表する人もいる一方で、途中段階を積極的に打ち出して多くの人を巻き込みながら形にする人が増えていますよね。

ソーシャルネットワークサービスが生まれたこの10年間で大きく変わった部分は、作り方そのものや、共有、公開していく姿勢だと思っています。

ふくま:共創関係を作るみたいな考え方に近いのでしょうか。

阿部:そうですね。本当に一緒に作ることもありますし、応援される関係を築いたり、「こんなことをやってみたい」と掲げたり、言葉にするのが上手な人が支持されているなと思うんです。

企業も存在意義であるパーパスを含めて発信しようという流れになっていますよね。その理由はみんな「誰がどこに行こうとしているのか」が気になっているからなのかなと。

ふくま:今、共創関係というワードが出てきましたが、他のお二人は、コンテンツを作る上で共創を意識されることってありますか?

原田:たしかに、SNSが流行る前は自分勝手に好きなものを作ることが多かったです。自分がこうしたいからこう描くとか、自分がこう思うからこういう細かい絵を描くとか。

でも、SNSを本格的にやり始めてからは、「作品を受け取った人がどう思うのかな」とか、「これを発信するとどういう気持ちになる人が多いのかな」とか、「嫌な思いをする人がいないかな」と考えて発信するようになった気がします。

ふくま:コンテンツの作り方や自身の作品にも影響が出てきているっていうことですね。

原田:そうですね。他者に向けて作るようになったのが大きいです。

ふくま:ありがとうございます。もろんのんさんはなにかありますか?

もろんのん:私はInstagramとYouTubeをやっているのでそれぞれに対してお話しますね。まず、Instagramに関しては、考えすぎてしまうと完璧主義になってしまって、全然発信ができなくなってしまうので、自分の好きなものをただただ発信しています。

YouTubeでは、タップしてくださった方の貴重な時間を私にいただけているわけなので、ちゃんとわかりやすい構成になっているのかどうか、わからない部分をフォローしてあげられているかどうかを特に意識して作っています。

ふくま:ありがとうございます。、原田さんは作風やイラストがカラフルなものが多いですよね。SNSを始めてからそのような作風に変わったとお伺いしているのですが、なにか影響があったのでしょうか。

原田:そうですね。Twitterが出てきたとき、とてもハマったんですよ。フォロワーを増やすのがゲームみたいで面白くて。そこで、どうしたらこのタイムラインの中で手を止めてくれるのだろうとか、拡散してくれるのだろうなどを考えるようになったんです。

私の描く絵は当時、白黒がメインでスクロールするとパッと手が止まらないようなものが多かったんです。それを無理やり止めさせるには、もうどんどんカラフルにしたほうが良いんじゃないか、人の顔を青く塗ったほうが良いんじゃないか、と思って……(笑)。いろいろと試した結果、どんどん過激な色を使うようになって参りました……。

ふくま:ソーシャルメディアって基本的にスマートフォンで見ることが多いですからね。あの小さいフォーマットの中だと、カラフルなものが映えやすいというのはたしかになと思うところがあります。写真でもそういうものはありますか? たとえば、インスタ受けしやすい写真とか。

もろんのん:たとえば、赤色は一番人間が誘目される色と言われているので反応が良いです。他にも、ハッキリした黄色や黒はエンゲージが高くなることも。

最近、ロジクールさんから黄色と黒のキーボードとマウスが新しく発売されて、それをTwitterに投稿してみたら、4万いいねを超えて。色の影響が大きいのかなと感じたんですよね。

ふくま:面白いですね。今のはグラフィックやビジュアルメインのお話でしたが、コピー、note、ブログでもソーシャル受けしやすいコンテンツってあるのでしょうか?

阿部:そうですね。心の中で思ってはいたけれど、なかなか声にできなかったというものをコンテンツにしたものはソーシャルで受け入れられやすいですよね。要は、今の世の中の社会課題です。

「世の中のこういう状況を変えていこうよ」だったり、「こういうところは改善していける」と声を挙げる方に対しての応援がソーシャルではとても多いですよね。僕もそういう言葉をソーシャルの中で見たいと思います。

ふくま:ソーシャルのコンテンツって、流行り廃りみたいなものもあると思うのですが、新しいものを作っていく際、みなさんはどういったところからインスパイアされてコンテンツを作られているのでしょうか。

日常生活の中でも日々多くのインプットをされていると思うので、意識しているポイントやルーティンなどがあれば教えていただきたいです。

原田:新しいことを始める前は「自分ぽいか、自分ぽくないか」を考えるようにしています。たとえば、私が急に少女漫画を描き始めたら変だと思うんです。私が普段描いているのは、どちらかというと暗い絵なので。しかも、暗い絵に吹き出しを付けて悪口っぽいことまで言っている(笑)。

そんなイラストを描いている人が、いきなり少女漫画を描いたりアイドル活動を始めたらおかしいだろうなって思うんですよね。なので、まずは私っぽいことで、なおかつ私が面白いと思うことをいつも新しく始めたいなと思っています。

ふくま:「私っぽい」ってどうやって決めていくのですか?

原田:今まで私をフォローしてくださっている方が、私に求めていそうなことを考えているんです。せっかくフォローしてくれている方がいるのだから、その人たちのことをガッカリさせたくなくて。フォロワーのみなさんと一緒に、どんどん「面白い」を更新できていくようなコンテンツを作っていければと日々思っています。

創作の原点は、小さな興味と根強い「好き」

ふくま:もろんのんさんは写真やYouTubeでの動画を作られていると思うのですが、それは自分のやりたいという気持ちと需要、どちらを重要視しているのでしょうか?

もろんのん:そうですね。軸が大きく二つあって、まず一つは自分にできること、クライアントが求めていること、自分がやってみたいことの輪が重なるようなお仕事です。実績が浅いお仕事でも、やってみたいというwillの部分を大切にお仕事を請けています。

もう一つは、主にYouTubeで検索のアルゴリズムを意識した創作。YouTubeの初期の頃はどれくらいの再生回数が見込まれるのかを事前にリサーチした上で、好きなものをどんな風に発信すれば伸びるのだろうと考えています。他の投稿者さんの動画を観て、自分なりの伸びる切り口を見つけているイメージです。

ふくま:ありがとうございます。阿部さんはいかがでしょうか?

阿部:そうですね。まず前提として、流行やトレンドそのものをどうにかすることはできないと考えています。ただ、一人ひとり作り手の中には創作のための心臓があって、止められても辞められないほど好きなことがある。そういう譲れなさを大切にしながら創作する人でありたいなと思っているんです。

もちろん人の要求やニーズに応えたい気持ちはあるし、それも大切。ただ、脈々と自分の中に生まれているパッションは捨てないでいたいんですよね。

ふくま:ところで、自分のやりたいことや好きなことの見つけ方ってなにかあるのでしょうか。創作のきっかけなんかをお伺いしても良いですか?

原田:私はイラストレーターになろうと思ってなったわけじゃないんですよね。お笑いの養成学校に通っていた頃、アルバイトをしつつの生活でした。ちょうどその頃、バンドマンの彼氏ができて、ライブハウスに出入りするようになったんです。

その彼氏には絵を描くのが好きな話をしていたのですが、そしたらライブハウスで出会った彼の友人にもそれが広まって。ひょんなことからライブのフライヤー作りをさせてもらうようになりました。

そこから、ライブカレンダーを作ったり、フライヤーを作ったりと今に繋がる仕事が始まったんですよね。作り方なんか全く知らなかったけれど、絵を描くのが楽しかったので続けていたらイラストレーターとして仕事ができるようになりました。

ふくま:ふとしたきっかけで才能が広まる流れ、ソーシャルのようですよね。もろんのんさんはいかがですか?

もろんのん:私は学生の頃に友人がInstagramをやっていたことが始まりです。当時のInstagramは写真を趣味にしている人のサークルみたいな場所だったので、そこに属するようになって写真に興味を持ったのが原点でした。

その後、大学卒業をして普通に会社員として休日にフォトグラファーの活動をしていたんですね。けれど、その写真を撮影して納品することで誰かが喜んでくれるという体験がすごく幸せだなと思うようになって2021年にフリーのフォトグラファーとして独立しました。

自分はなにが好きなのかわからない方も多いと思います。そういうときはぜひ仲の良い友人や家族の3人くらいに「私の良いところってなんだと思う?」と聞いてみてください。私もそういう対話を通して、人の喜びにコミットできることが特技なのだと気づきました。

ふくま:たしかに……。他者と触れ合うことで自分の輪郭が出てくるみたいなことってありますよね。阿部さんが立ち上げられた「企画メシ(企画でメシを食っていく)」はまさにそういう考えを体現した場のように感じられますがいかがですか?

阿部:そうですね。僕自身も、コピーライターという仕事を始めたきっかけはジェラシーなんです。嫉妬することって誰しもありますが、実はそれってすごい可能性なのではと思ってます。

というのも、僕は社会人になって最初に配属されたのが人事の部署でした。学生と対峙する機会があって、その学生たちが目をキラキラ輝かせながらプレゼンする姿を見ていたんですね。、とても格好良いし、そっち側にいきたいなと。そのきっかけによってコピーライターを志して、勉強を始めて、キャリアチェンジをしました。

僕が2015年に立ち上げた「企画メシ」は、まさに自分の人生を企画することの重要性を考えたものです。様々な業界のゲスト講師の方に来ていただくことで、参加者に自分の心の扉をノックしてもらう機会になればと思っています。

企画でメシを食っていく

自分らしさを失わないための続けることの大切さ

ふくま:さて、次のトークテーマに移っていきましょう。コンテンツが消費されやすい今の時代、埋没せずにクリエイターとして活躍するにはどうしたら良いのだろうと感じていて。自分の見せ方について考えていることってありますか?

原田:人の意見に流されず、自分のやりこいことをやり続けることですかね。クリエイターを続けていると、やっぱり似た作風の人って登場するんですよね。私がよく描いているようなネガティブなことを発するカラフルな女の子の絵が流行った時期もありますし。

ちなみに今はハッピーでかわいくて小さなキャラクターのイラストが流行っています。だからといって、自分の作風をそっちに寄せてしまうのはすごくもったいない。だから、自分の強みを維持することが大切だなって思うし、そうして15年くらい続けたらきっと大御所になれるじゃないですか。

「この暗いテイストの絵といったら原田」と世間に定着する日がくると思っているので、ずっと続けることが大切なのだろうなって感じています。

ふくま:好きって想いがないと続けることはできないですからね。

原田:そうですね。なにになりたいのかがハッキリしていない人が辞めていっちゃうのかもしれないです。私は将来的には妖怪おばさんみたいになりたいんですけど。

怖い絵を描く妖怪おばさんみたいになってから死にたいんです(笑)。なりたい自分があるので、目的を持って描くことを続けられているなって思います。

ふくま:ありがとうございます。もろんのんさんはどうでしょうか?

もろんのん:そうですね……実は私、あまり自分に自信がないんですよね。YouTubeやInstagramで発信しているので目立ちたがりだと思われることも多いのですが、そんなことはなくて。

それよりも、自分が好きだと思う人、場所、プロダクトなんかを応援するモチベーションが強いんですよ。その気持ちがあるから写真という武器を使って仕事ができているし、好きだからクライアントさんやモデルさんにもコミットできる。そうしてモチベーションの赴くままに活動を続けていたら、自分の写す世界にファンの方が付いてくださった、という流れなんですよね。

ふくま:ありがとうございます。ちなみに、もろんのんさんの主戦場は写真や動画でありつつ、noteでの発信もしっかりされている印象で。文章での発信を行うのはフォトグラファーの中での差別化のためなんでしょうか?

もろんのん:そうですね。もともと1社目の頃はメーカーさんに自社のサービスを紹介する代理店的なポジションで仕事をしていたので、マーケティングの知識と写真の知識をかけ算してなにか発信できないだろうかと考えていたんです。

Photographer もろんのん|note

ふくま:かけ算、面白いですね。原田さんは一つのものを続けるタイプで、もろんのんさんはかけ算で相乗効果を生み出すタイプ。阿部さんはどうでしょうか?

阿部:僕は極論、埋没していることが悪いだなんて思っていないんですよね。それって他者の評価や見方にしか過ぎないから。それよりも自分の心が埋没しないかどうかのほうが大事だと思っています。

自分のやりたいことがあって、それが本当の気持ちなのであればやり続けたら良いんです。最初は誰からも見てもらえないかもしれないけれど、続けていれば誰かが見つけてくれるのがこの世界なので。なので工夫できることは工夫しつつ、自分の心が埋没しないような発信を意識するのが良いかなと思っています。

クライアントとより良い関係を築くための“レペゼン”

ふくま:クリエイターとして仕事をする上で欠かせないのが発注先であるクライアントの存在。原田さんやもろんのんさんはクライアントの企業とお仕事をする機会がとても多いと思います。阿部さんは代理店でも働かれているので発注側の目線もお持ちですよね。みなさんが企業とクリエイターとの関係を築く上で大切にしていることを教えてください。

原田:相手も生身の人間であることを念頭に置いて接するようにしています。イラストの依頼をいただいたら「描きます」とだけ伝えるのではなく「このたびは素敵なお話ありがとうございます!」って言葉でも感謝を伝えるし、困っていることは尋ねるし、要望があればちゃんと伝える、みたいな。

一緒に仕事をする仲間同士、お互いにリスペクトの気持ちを持って仕事できるのが一番良いなと思っているんです。なので、夜分の連絡だったら「遅い時間にお返事ありがとうございます!」と一言添えたり。なるべくそういうコミュニケーションを取るようにしていますし、同じように返していただける企業さんとは長く一緒にやっていけたらと思っています。

ふくま:当たり前なことなんですけれど、すごく大事なことですよね。

もろんのん:原田さんが仰る通り、リスペクトがあるかどうかはやりとりを通じて響いてくるのかなと思います。

ふくま:そうですよね。阿部さんはいかがですか?

阿部:僕もお二人の意見と同じです。僕が仕事をするときに意識しているのは、リスペクトとレペゼン。一緒に仕事をする相手は敵ではなく仲間なんですよね。そのはずが、なぜか敵対してしまって良いものを作るどころではなくなってしまうことがあります。まずはリスペクトの気持ちを伝えるのが一つ。

そして、ビジネスの場面では自分がなににレペゼンしているのかを伝えること。レペゼンはヒップホップの用語で「代表する」って意味合いです。これまでの自分をしっかり自己紹介して、何を背負っているのかを話すことで、目の前の相手と同じ土俵に立って仕事ができるんじゃないかなと思っています。

ふくま:そういえば今回、事前の打ち合わせで原田さんが「最近SNSが少しつまらない」と話していたのがとても印象的で。どういうところからそれを感じているのか教えていただけますか?

原田:特にコロナ禍に入ってから、SNSがディベートの場のように見えてつらいなって思うことが増えたんです。SNSってもともと「いいね」があるくらいですから、良いと思ったものを拡散したりシェアするツールだと思ってきました。

でも、今はハッピーな投稿をしても「こういうハッピーなことを体験できない貧しい人だっていますが?」みたいなスタンスの人がいて。Twitterは特に顕著ですよね。それがすごくしんどいなって。

ふくま:僕の周りでもそんな風に言っている人は多いですね。だからTwitterのようなオープンな場ではなくて、売上目的ではないもののnoteで有料設定にして投稿したり。Discordみたいなクローズドな場所でコミュニケーションを取るとか。阿部さんはどうされていますか?

阿部:僕はTwitterを主に使っているんですが、SNSの使い方は自分なりに整えていくのが大切だなと常々思っています。部屋の模様替えをするような感覚で、環境を整えていくといいますか。嫌なものが目に入ってくるSNSは疲れてしまいますから、ミュート機能を使ってもいいですし、使いながらうまい距離感を取るのが良いんじゃないかと。

ソーシャル時代の強みを活かしてタイムラインを超える創り手に

ふくま:さまざまなお話が飛び交いましたが、そろそろお時間なのでまとめに入っていきたいと思います。最後に今後みなさんがクリエイターとしてやりたいこと、SNS時代のクリエイティブ制作のあるべき姿なんかを教えていただきたいのですがいかがでしょうか。

原田:これからもずっとSNSの流行り廃りや繰り返していくのだろうなと思っています。ある程度一周したのかな、と思うこともあるので。なので、そういう輪の中で自分が自分らしく生きるために、好きなことを続けて、私を好きでいてくれる人たちと一緒に楽しい時間をシェアできたらと思っています。

もろんのん:SNSでは今、YouTube ShortsやInstagramのリールのように尺の短いコンテンツが増えてきています。ですが、私は今のところその波には乗らないつもりです。

個人の感想ですが、短尺の動画を観ていると、なんだか時間を消耗しているような印象があるんですよね。あくまで参考になると思ってもらえる有意義な動画作りを行っていきたいです。

また、写真に関しては、もともと得意だった「自然光×ポートレート」という枠組みから抜け出して、自然光のない環境での撮影や、人以外の被写体の撮影にも挑戦したいです。新しい表現でも自分らしさを感じてもらえるように頑張ります。

ふくま:流行りを理解しつつ、逆張りしていく姿勢はすごく良いですね。阿部さん、いかがでしょうか?

阿部:僕はSNSをやっていて興奮することがあるんです。それは、まったく繋がりのなかった方からフォローしてもらった瞬間や、「この人の文章が良い!」と言ってもらえた瞬間。タイムラインを超えた繋がりが生まれたと感じて、すごく嬉しいんです。

そういったタイムラインを超えるコンテンツを作っていきたいです。これからもいろいろな流行が生まれると思いますが、その流行に乗って大通りに出店するばかりではなく、裏路地の名店のようなポジションをつくれたらな。

村上春樹さんの言葉を借りるなら、「小確幸(小さくて確かな幸せ)」のような存在を常に維持し続けて、それがいずれ名店になればくらいの気持ちで向き合っていきたいなと思っています。

ふくま:ありがとうございます。自分の好きなものをやり続けるというみなさんの姿勢は、クリエイターの命だなと思いました。

また、他者から求めてもらうことがクリエイターにとっては大きな原動力にもなる。ソーシャル時代のように「好き」が可視化されていく時代においては、より一層その気持ちを軸にモチベートされて良いコンテンツが生まれるのかなとも思いました。これからもみなさんのコンテンツを楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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