Z世代はテレビをどう観ている?「テレビ離れ」の真相とSNS活用の重要性 〜大学生350人調査+生の声から解く、リアルなメディア接触実態と攻略の鍵〜
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若者の「テレビ離れ」が進んでいると言われています。スマートフォンの普及やSNSの利用拡大によって、若者のメディア接触が大きく変化しているのは確かでしょう。しかし、彼らは本当にテレビ番組やCMを観ていないのでしょうか。
サキダチラボでは、その実態を明らかにするため、全国の現役大学生・大学院生350名を対象に「生活行動」と「テレビ視聴」に関するアンケート調査を実施しました。さらに、定量調査だけでは見えないインサイトを深掘りするため、さまざまなバックグラウンドを持つ大学生5名へのデプスインタビューも行いました。
本記事では、これらの定量・定性の独自調査に基づき、「テレビ離れ」という言葉だけでは捉えきれない、現代大学生の多様なテレビとの向き合い方に迫ります。
目次
調査概要
アンケート調査
- 調査名:「テレビ視聴」に関するアンケート調査
- 調査方法:「サークルアップ」内のアンケートオファーによる調査
- 調査対象:全国の現役大学生・大学院生(大学1年生〜大学院2年生)
- 有効回答数:350名
- 性別:男性 111名、女性 239名
- 学年:大学1年生 107名、大学2年生 144名、大学3年生 64名、大学4年生 32名、大学院生 3名(大学1〜2年生で約7割)
- 居住形態:実家暮らし 242名、一人暮らし 95名、その他 13名(実家暮らしが約7割)
- 調査期間:2025年3月14日~15日
インタビュー調査
大学2〜4年生の男女5名へのデプスインタビューを実施
【Aさん】
- 属性:女性 / 東京都の大学 / 4年生(5年目) / 文系(社会学部) / 実家暮らし
- 主な活動:カフェでのアルバイト(週1未満)、ダンスサークル所属
- 趣味・関心:音楽(邦ロック)、アニメ、マンガ、ゲーム実況
- メディア接触:スマホ中心。YouTube、ラジオ/ポッドキャスト、ニコニコ動画をよく利用。SNSはX、Instagram、TikTok、BeReal.など幅広く利用。
- テレビとの関わり:「生活必需品ではない」と感じており、自分からはあまり観ないが、家族と一緒に楽しむことはある。音楽番組は好きなアーティストが出演すれば録画してでも観る「目的視聴」派。
【Bさん】
- 属性:男性 / 神奈川県の大学 / 4年生 / 理系(データサイエンス学部) / 実家暮らし
- 主な活動:ファミレスでのアルバイト(週4程度)、ダンス部所属
- 趣味・関心:読書(小説)
- メディア接触:リビングのテレビを観ながらスマホをいじることが多い。就活中のため、情報収集は日経新聞電子版やYahoo!ニュースも利用。SNSはInstagram、YouTubeが中心で、TikTokやBeReal.は利用していない。
- テレビとの関わり:テレビは「世の中を知るきっかけ」であり、マスメディアの報道にはSNSと比べて「公平さ」を感じている。リビングで常についているテレビを「ながら観」することが多い。
【Cさん】
- 属性:女性 / 福岡県の大学 / 2年生 / 文系(国際文理学部) / 学生寮暮らし
- 主な活動:カフェでのアルバイト(週2〜3回)、ボランティア関連の学生団体所属
- 趣味・関心:K-POP、マンガアプリ、スマホゲーム
- メディア接触:スマホ中心で、その大半がYouTube。SNSはInstagram、TikTok、X、BeReal.など幅広く利用。
- テレビとの関わり:寮にテレビがないため、「TVer」での視聴が9割。バラエティはあまり観ないが、音楽番組は好きなアーティスト次第で観る「目的視聴」派。
【Dさん】
- 属性:男性 / 宮城県の大学 / 4年生 / 理系(工学部) / 一人暮らし
- 主な活動:居酒屋でのアルバイト(週2〜3回)、ゴスペルサークル所属
- 趣味・関心:歌うこと、ボードゲーム、筋トレ
- メディア接触:YouTubeが中心。テレビ画面でYouTubeを観ることも多い。SNSはInstagramのみ(観る専)で、他は利用しない。
- テレビとの関わり:テレビは所有しているが、YouTubeを視聴する「ディスプレイ」としての利用がメイン。音がないと寂しいため、BGM的につけることも。地上波はニュース程度だが、マスメディアの報道には信頼性を感じている。TVerや録画機能はまったく利用しない。
【Eさん】
- 属性:女性 / 茨城県の大学 / 2年生 / 文系(国際学部) / 一人暮らし
- 主な活動:スーパーでのアルバイト(週4〜5回)、よさこいサークル所属
- 趣味・関心:演劇鑑賞
- メディア接触:スマホ中心で、Instagram、TikTokの利用が大半。時事ネタはLINEニュースから取得。
- テレビとの関わり:テレビは所有していないが、昔からテレビ番組は大好き。ドラマやバラエティは「TVer」で検索して視聴しているが、連続ドラマの場合、視聴期限(約1週間)を過ぎてしまい離脱することも。最近のマスメディアの報道内容にはやや懐疑的。番組情報はGoogle検索やTVerの予告で確認。
このように、性別、居住形態、趣味嗜好などによって、メディアとの向き合い方は実に多様です。以降の調査結果分析では、アンケートの定量データと合わせて、これらのリアルな声も参考にしながら、現代大学生の姿に迫っていきます。
※調査結果を引用・転載される際は、「テテマーチ調べ」と出典を明記してください
※調査内容の一部または全部を改変して引用・転載することはお控えください
【調査結果①】大学生はテレビを観ていない? 視聴時間の実態と多忙な日常
まずは大学生のテレビ視聴時間の実態を見てみましょう。
アンケートで「1週間のうち、テレビを視聴している時間はどのくらいですか」と尋ねたところ、最も多かった回答は「5時間未満(64.0%)」でした。さらに「テレビをまったく観ない(5.1%)」も合わせると、週5時間未満の視聴が回答者全体の約7割を占めます。この結果は、「若者はテレビを観ない」という印象を裏付けるように見えるかもしれません。

しかし、注目すべきは彼らの「可処分時間*」(自分で自由に使える時間)です。
「1週間のうち、自由に使える時間はどのくらいですか」という質問に対して、「5時間未満」と答えた学生は22.0%でした。ここに「5~10時間未満(24.9%)」と「10~20時間未満(24.6%)」を合わせると、約7割の学生が週に20時間未満しか自由時間がないという、非常に忙しい日々を送っていることが分かります。
*ここでいう「可処分時間」とは、「学業」「アルバイト・インターン」「サークル・部活動」を除く、自分で自由に使える時間を指します。

彼らの日常は、アルバイトやインターン、サークル・部活動などに費やされており、テレビ視聴以前に、自由に使える時間そのものが限られているのです。

それでは、限られた可処分時間の中で、どのようなメディアに接触しているのでしょうか。
今回インタビューした5名のうち4名が、自宅でのんびり過ごしている時には「YouTube」を観ることが多いと答えています。視聴内容は多岐にわたり、好きなアーティストや音楽関連動画(バンドのMV、K-POPアイドルのダンスリレー動画、ボイストレーナーの解説動画など)、お笑い芸人のチャンネル、ゲーム実況など、個々の興味関心に基づいて、YouTube上で多様なコンテンツを楽しんでいます。なかには、普段の情報収集もYouTubeで行うという声もありました。
また、居住形態(実家暮らしか一人暮らしか)によるテレビ視聴時間の差異は、ほとんど見られませんでした。
インタビューからは、同じ一人暮らしでも、「テレビはあまり観ないが、音がないと寂しいのでBGMとしてテレビをつけている」(Dさん)という声がある一方で、「テレビ受像機は所有していないが、テレビは好きなのでTVerで検索して視聴している」(Eさん)という声も聞かれました。一口に一人暮らしと言っても、テレビデバイスとの関わり方はさまざまであり、視聴時間データだけでは実態が見えにくいことが分かります。

※実家暮らしおよび一人暮らし以外の居住形態(学生寮・シェアハウス、同棲・ルームシェアなど計13名)は集計から除外しています
以上をまとめると、大学生はアルバイトやインターン、サークル・部活動などで忙しく、可処分時間そのものが限られていると言えます。さらに、その限られた時間の中でも、彼らはスマートフォンで動画やSNSを見たり、趣味や友達との交流を楽しんだりと、テレビ視聴以外にも多くの時間を費やしています。
このように、テレビは数ある余暇の過ごし方のひとつに過ぎず、人によっては優先順位が高くないようです。インタビューでの「テレビは生活必需品ではない」(Aさん)という言葉は、まさにこうした意識を象徴していると言えるでしょう。その結果として、大学生のテレビ視聴時間は短い傾向にあると考えられます。
【調査結果②】「目的視聴」へシフト? 大学生のテレビ視聴理由と視聴スタイル
それでは、限られた可処分時間の中で、大学生はどんな理由からテレビを観るのでしょうか。
テレビを観る理由として最も多かったのは、「習慣で何となくつけている」という回答で、全体の44.9%でした。次いで、「好きな番組、面白い番組があるから(40.3%)」、「推しが番組に出演しているから(18.6%)」と続きました。

上位3つの理由について、インタビューから具体的な視聴スタイルが見えてきました。
1位の「習慣で何となくつけている(44.9%)」とは、特に観たい番組はないものの、自然とテレビに接触している状態を意味します。実家暮らしのAさんは「自分から進んでテレビを観ることはないが、家族が好きな番組を一緒に楽しむことはある」と言い、同じく実家暮らしのBさんは「リビングで過ごすことが多く、常にテレビがついている状態。それを観ながらスマホをいじっている」と話していました。今回のアンケート回答者の約7割が実家暮らしであることを踏まえると、本人の視聴意欲に関わらず、こうした家庭環境が「習慣的な視聴」の要因になっているのかもしれません。
2位の「好きな番組、面白い番組があるから(40.3%)」について、Eさんは具体的に「月曜から夜ふかし」や「上田と女が吠える夜」を好きな番組として挙げています。彼女によれば、「芸人同士の掛け合いが面白い」「自分の気持ちを代弁してくれているようで共感できる」といった点が魅力であるようです。
3位の「推しが番組に出演しているから(18.6%)」という理由も見逃せません。インタビューでは5名中3名が「好きなアーティスト」について言及していました。具体的には、「推し」の出演情報をSNSなどで積極的に収集し、リアルタイム視聴はもちろん、録画や配信でのチェックといった能動的な視聴行動をとる傾向が見られました。彼らにとってテレビ番組は、「推し」を応援するための大切なメディアの一つとも言えるでしょう。
このように、明確な「目的」を持ってテレビを視聴している学生も多いことが分かりました。
【調査結果③】人気番組の共通点は「独自性」や「親近感」
次に、好きなテレビ番組についての調査結果を見てみましょう。
「あなたが好きなテレビ番組のジャンルを教えてください」という質問に対しては、「バラエティ・お笑い(62.9%)」がトップで、「ドラマ(41.4%)」、「音楽(32.6%)」と続きました。

特に人気の番組である「水曜日のダウンタウン」や「世界の果てまでイッテQ!」が支持される理由として、アンケートの自由回答では「企画の面白さや独自性」「現場の楽しそうな雰囲気や親近感(番組制作スタッフとの絡み)」「出演者の魅力(掛け合いやツッコミ)」などが多く挙げられました。

一方で、インタビューでは「バラエティは観ない」(Aさん)という声や、好きな番組として「ピンとくる番組はない」(Dさん)という声も聞かれました。また、バラエティを観るとしても、「テレビ(地上波放送)ではなく、YouTubeやNetflixのコンテンツのほうが尖っていて見応えがある」(Cさん)という意見もありました。
これらのことから、テレビ番組は常に他のメディア上のコンテンツと比較されていると言えます。つまり、「テレビだから観られる」という機会は減り、テレビ番組の競合は他局の番組(裏番組)だけではなくなっているのです。
コンプライアンスなどさまざまな制約があるものの、今後はますます、あらゆるコンテンツがプラットフォームを問わず平等に評価されるようになるでしょう。そのなかで、「独自性」や「親近感」といった要素が、視聴者に選ばれるための鍵になると考えられます。
【調査結果④】テレビっ子はドラマ好き!可処分時間に占めるテレビ視聴時間から捉えた3つのクラスターとその特徴
今回の調査では、「可処分時間のうち、どれくらいの割合をテレビ視聴に使っているか」によって大学生を3つのクラスターに分類し、その特徴を分析しました。これにより、マーケティングのターゲットとしての解像度を高めるヒントが見えてきます。

クラスターごとの特徴をまとめると、以下の通りです。(※詳細はグラフデータを参照してください)
①「テレビ好き」層(10%)※可処分時間の50%以上をテレビ番組の視聴に使っている層
可処分時間に占めるテレビ視聴時間が長く、好きな番組のために録画機能も活用します。意外にもリアルタイム視聴派は少なく、録画視聴、TVerでの視聴など、この層の中だけでも多様な視聴スタイルが存在しています。
特にドラマ好きが多く、好きな番組を目的視聴する傾向にあります。テレビに関する情報は、テレビ番組表や番宣・予告を中心に観ているようです。また、番組や出演者の公式SNSアカウントをチェックしている人も多いです。
②「ながら観」層(68%)
可処分時間に占めるテレビ視聴時間が短い層で、大学生の大多数がこの層に当てはまります。テレビの視聴理由は「好きな番組を観るため」と「習慣で何となくつけている」の割合がほぼ同じです。調査結果②のように、「基本的にテレビはついているが、スマホをいじっているのでほとんど観ていない」(Dさん)という視聴スタイルも比較的多いと推測されます。
テレビに関する情報収集はSNS(特にX、Instagram)が中心で、SNS起点での情報接触が多いです。
③「多忙」層(22%)
可処分時間自体が極端に少ない層。他の層と比べて「ニュース・報道」番組を好む割合が多いです。SNS上では「番組公式アカウントの投稿」から番組情報を得る傾向があり、物理的な視聴時間は短いですが、テレビ番組に興味がないわけではないと考えられます。
💡「テレビ好き」層の多くは、好きな番組があり、テレビを目的視聴している

- 「テレビ好き」層: 「好きな番組、面白い番組があるから(65.7%)」の割合が高い
- 「ながら観」層:「好きな番組、面白い番組があるから(42.0%)」と「習慣で何となくつけている(40.8%)」の割合がほぼ同等
- 「多忙」層:「習慣で何となくつけている(51.9%)」の割合が高い
💡「テレビ好き」層にはドラマ好きが多い

- 「テレビ好き」層:他の層と比べて「ドラマ(57.1%)」が突出して高い
- 「ながら観」層:「バラエティ・お笑い(63.9%)」の割合が高い。また、他の層より「アニメ」の割合が高い
- 「多忙」層:「バラエティ・お笑い(64.9%)」の割合が高い。また、他の層より「ニュース・報道」の割合が高い
💡「テレビ好き」層はリアルタイムで観れなくても、番組を録画して視聴する傾向にある

- 「テレビ好き」層: リアルタイム視聴(42.9%)以上に、「録画した番組を観る(57.1%)」割合が高い
- 「ながら観」層:「リアルタイム放送(53.8%)」視聴の割合が高い。また、他の層より「録画」の割合は低い
- 「多忙」層:「リアルタイム放送(49.4%)」視聴の割合が高い
💡「テレビ好き」層はテレビの番組表から、「ながら観」層はSNSから情報収集する傾向にある

- 「テレビ好き」層:他の層と比べて「テレビの番組表(42.9%)」が突出して高い
- 「ながら観」層:他の層と比べて「SNS(50.8%)」での情報収集が突出して高い
- 「多忙」層:「テレビ番組の予告や番宣・CM(48.1%)」の割合が高い
💡SNS上で「テレビ好き」層は公式アカウントから、「ながら観」層は切り抜き動画から情報収集する傾向にある

- 「テレビ好き」層:「番組出演者の投稿(60.0%)」「番組や放送局の公式アカウントの投稿(57.1%)」といった一次情報から得る傾向が強い
- 「ながら観」層:番組公式アカウント(39.5%)や番組出演者の投稿(33.6%)の割合が高いが、他の層と比べて「番組の切り抜き動画やまとめ動画(31.5%)」の割合が高い
- 「多忙」層:番組公式アカウント(41.6%)の割合が高い
このように、大学生のメディア接触は生活スタイルによって大きく異なります。Z世代と一括りにせず、ターゲットとする若年層がどのようなライフスタイルを送っているかを理解することが、効果的なコミュニケーション戦略の第一歩となります。
【調査結果⑤】大学生の2人に1人がSNS起点のテレビ視聴
ここからは、「テレビ視聴」と「SNS」の関係性について見ていきましょう。
SNSがテレビ視聴の主要なきっかけに
テレビ番組の情報収集方法として「SNSで流れてきたり、検索して(44.9%)」が回答者全体のトップとなり、SNSがテレビ視聴の主要なきっかけとなっていることが明らかになりました。
Q. テレビ番組の情報をどのように得ることが多いですか。(複数選択可)

なかでも、「Instagram(47.1%)」 と「X(45.1%)」が多く利用されています。
Q. SNSでテレビ番組の情報を得るとき、利用しているSNSを教えてください。(複数選択可)

公式情報の価値と「切り抜き動画」の影響力
SNSでテレビ番組の情報を得るとき、多くの学生は「番組や放送局の公式アカウントの投稿(41.7%)」 や「番組出演者の投稿(34.9%)」といった公式情報を見ています。しかし、「切り抜き動画(28.6%)」も無視できない存在となっています。
特に、普段あまりテレビを観ない学生にとって、短尺で番組の魅力が伝わる切り抜き動画は、番組への興味を持つきっかけになったり、友達との話題に参加したりするための重要なフックとなります。インタビューでも「とあるドラマの切り抜き動画から続きが観たいと思ったことがある」(Dさん)といったように、番組コンテンツの二次利用やSNS上での話題化が、新たな視聴につながる可能性を示唆しています。
Q. SNSでテレビ番組の情報を得るとき、どのような投稿を見ることが多いですか。(複数回答可)

SNSでの発信は限定的、しかし「共有」の輪は存在する
テレビ番組について自らSNSで発信する学生は少数派ですが、「ごくたまにする」層まで含めると約2割が発信経験を持っています。さらに、他人の投稿を共有(シェア)した経験を持つ学生は約3割にのぼります。
インタビューでは、Eさんが「Instagramのストーリーズで親しい友達だけにドラマの感想を投稿することがある」と話していました。このように広く発信するのではなく、親しいコミュニティ内で感想を共有する、といった限定的な発信の実態が見えてきました。
Q. テレビ番組の情報をSNSで発信・共有したことがありますか。

このように、多くの大学生にとって、SNSがテレビ番組との最初の接点になっていることが分かりました。テレビ番組の視聴体験はもはやテレビ画面の前だけで完結するものではなく、SNSとの連動がますます一般的になっていくと言えるでしょう。
まとめ:若者の「テレビ離れ」の真実と攻略の鍵
今回の調査(定量350人+定性5人)を通して、すべての若者が一様にテレビ離れしているわけではない、ということが分かりました。
大学生の「テレビ視聴」に関する傾向を分析した結果、大きく分けると3つのクラスターに分類でき、それぞれ視聴目的や視聴スタイル、そして好きな番組ジャンルなどに違いが見られました。このように、若者のメディア接触は生活スタイルによって異なります。
また、大学生の2人に1人はテレビ視聴のきっかけが「SNS」であることも明らかになりました。情報過多の現代において、彼らは限られた時間の中で効率的に情報を取捨選択しています。
テレビを通じて若者にコンテンツを届け、マーケティング効果を高めるためには、SNSとの連動が鍵を握ると言えます。具体的には、番組コンテンツの二次活用(切り抜き動画など)や、SNSでの話題化を促す仕掛けなどによって、普段テレビを観ない若者の目に触れる機会を増やすことが重要です。
こうしたSNS連動を前提としたアプローチは、番組を観てもらうきっかけ作りにとどまらず、SNSの「双方向性」という特徴を活かして、番組にとって長期的な資産となる熱心なファンを育成することにもつながるでしょう。
テテマーチでは、Z世代向けのプロモーションプランニングや、Z世代を対象にした調査などを行なっています。調査レポート資料は下記からご覧いただけますので、お気軽にダウンロードください。