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テテマーチの未来を灯す新VIが登場。デザイナー・割石裕太が捉えたテテマーチの今とその先

テテマーチの未来を灯す新VIが登場。デザイナー・割石裕太が捉えたテテマーチの今とその先

Date : 2022/07/28

当社は7月26日よりCI(コーポレート・アイデンティティ)をリニューアルしました。新たにMI(マインド・アイデンティティ)、BI(ビヘイビア・アイデンティティ)、VI(ビジュアル・アイデンティティ)を制定し、さらなる企業発展を目指します。

今回、一大プロジェクトとして取り組んだCIリニューアルでは、社内外のさまざまなメンバーの協力を仰ぎながら進行。なかでも、とりわけ時間をかけて行ったリニューアルの一つが、新VIであるロゴマークの制作です。

テテマーチのモチーフとして今回定められた「サーカス」を起点に新VIをデザイン。テテマーチの新たなロゴマークができあがりました。

そして、このロゴマークのデザインを担当してくださったのは、OHの割石裕太さん。これまでスタートアップ企業やサービスのブランディング、アートディレクション、デザインなどを通して世の中に多くの感動を届けているクリエイターです。

割石さんがデザインに携わる際に大切にしていることが、その企業やサービスの中の人を理解すること。どんな考えを持って、どんな未来を創るために活動しているのか。そういったことを正しく理解することが、デザインというアプローチを施す上で欠かせないと考えているからなのだそう。

では、割石さんの目に映るテテマーチの今、そして未来はどういったものなのでしょうか。今回のロゴマークをデザインするに至った背景と共に教えていただきました。話し手は、OH・割石さん、CIリニューアルのプロジェクトオーナーを務めたCCO・ふくまの二名です。

【割石さんプロフィール】
1989年生まれ。面白法人カヤック、株式会社Fablicを経て、OHとして独立。企業やブランドのアイデンティティデザイン・ライティングを主軸に、Webやプロダクトデザインに至るトータルデザインを行う。

テテマーチに宿る意思を後押ししたかった

ふくま:
改めて、今回は素晴らしいロゴマークのデザインをありがとうございました。

割石さんとお仕事をご一緒するのは今回が初めてでしたよね。最初に依頼のご連絡をさせていただいたときのテテマーチの印象って、割石さんの目にはどう映っていましたか?

割石:
知り合いにテテマーチの社員さんがいらしたので、成長を遂げているSNSマーケティングの会社というイメージは以前からありました。

今回、ご依頼をいただいて改めてテテマーチの事業や取り組みを拝見して、未来を応援したくなる企業だなという印象が新たに加わりました。

というのも、僕がこれまでデザイナーとして支援させていただいたスタートアップ企業の雰囲気に似ている点があったり、テテマーチのみなさんが前向きに事業へと取り組まれている様子を感じられたからです。

ふくま:
割石さんはスタートアップ企業のブランディングやロゴデザインなどを広く手がけられていますよね。単にロゴマークやWebサイトの制作を単発で請け負うというより、企業の根幹に携わることで、デザインという観点から経営をサポートしているような感覚なのかなと。

僕らとしても、CIリニューアルはもちろん、ロゴマークですらリニューアルは初めてというメンバーばかり。

ただ単にアウトプットとしてのデザインを制作するというだけではなく、僕たちの想いや意思を理解し、共にロゴマークを生まれ変わらせてくれる心強い仲間を探していました。そういった背景から、対話を通した上でデザインを生み出せるのは割石さんだろうと確信していました。

割石:
そう言っていただけるのは光栄です。

前職がスタートアップ企業だったということもあり、独立後は縁あってスタートアップ企業やVC(ベンチャーキャピタル)からのご依頼を多くいただくようになりました。そんな流れを経てお話をいただいたのが今回のロゴマークの制作でした。

具体的にお話を聞いてみると、テテマーチという企業の見据える未来やそのための意思、そういったものを強く感じることができました。

そこで、デザインという観点から応援させていただきたいと思い、ご依頼をお請けすることにしました。

立ち返るべき判断軸を作るために言語を定義する

割石:
今回、ロゴマークの制作を担当するにあたり、とても驚いたことがありました。それはテテマーチ内ですでに「サーカス」というモチーフが生まれていたこと。

多くの場合は具体的な「こう変更したい」「これを入れたい」という言語化はされておらず、その整理を始めることが僕の最初の仕事ということも珍しくありません。

ところが今回は、具体的なオーダーとして「サーカスらしさを取り入れたい」というものがありました。これはどういった背景で生まれたものだったのでしょうか?

ふくま:
CIリニューアルを行うにあたって、「テテマーチを一言で表すと?」というアンケートを社内で実施したんです。その結果、映画館、パレード、動物園など多様なアイデアが生まれて。その中の一つがサーカスでした。

その後、マネージャー陣や経営陣とモチーフを決めるためのミーティングを実施しました。話し合いの結果、多数のアイデアのなかから、サーカスというモチーフを共通言語にCIリニューアルを進めていくことになったのです。割石さんにロゴマークの制作をお願いしたのは、そのモチーフが決まってすぐのタイミングでした。

割石:
制作の序盤で、僕自身もみなさんの考え方を知るためにヒアリングの機会を設けさせていただきました。VMV(ビジョン・ミッション・バリュー)の指す意味を伺い、テテマーチが描きたい未来の姿をお話させていただきましたね。

テテマーチのみなさんはご自身の考えや意思を当時から言語化されていましたが、僕がヒアリングを通して知りたかったのは、その言語化と想いがリンクしているのかどうか。考えていることが、正しく言語化されていなければ、ロゴマークも誤った方向性でデザインされることになってしまいますよね。

そういった背景から、プロジェクトの初期は、テテマーチのみなさんの言語化が、僕の抱く印象と合致しているのかを確認する時間に充てていました。とはいえ、実際みなさんの表現する言葉にブレはなかったので、言語化フェーズはとてもスムーズに進行しました。

特に、サーカスというモチーフの選び方はとても良いなと感じました。

普通、サーカスといったらメンバーの楽しさやワクワクを重視して選ぶものかと思います。ところが、テテマーチがサーカスをモチーフに据えたのは「生活者にワクワクを届けたい」「それぞれがプロフェッショナルであれ」いうモチベーションから。そんな風に形作られたモチーフに対して、とても好感を持ちました。

ふくま:
テテマーチは多様性を受容する組織だと思っています。メンバーの性格も考え方もさまざまだし、人の数だけ意見があるというような雰囲気です。ただ、目指す先は常に同じで「サーカスのごとく人々を楽しませられる」集団。

そして、それを実現するために、一人ひとりがプロフェッショナルであることを求めています。

サーカスはたしかに一見簡単そうにパフォーマンスを成し遂げるけれど、ステージに上がるまでに大変な苦労もあるし、もちろん努力もある。その様子を一切見せることなく、目の前の観客をただ楽しませるというだけで。

そのサーカスの姿は、テテマーチの目指す姿としてとてもフィットしているなと感じています。

割石さんはそういったお話を通してテテマーチへの理解を深めてくださいましたね。ただ話を聞いてくださるだけではなく、割石さんなりの整理と言語化も行ってくださり、それがとても的確でした。すごく言葉を大切にする方なのだな、と感じたことを覚えています。

割石:
僕のデザインは言語化するところから始まるんです。デザイナーの仕事の進め方にはさまざまなスタイルがあるので、どれが正しいというものはありません。

ただ、僕にとってデザインはあくまで想いをビジュアルで表現するための役割を担っているもの。つまり、その想いがきちんとビジュアルで表現できているのかを確かめる術が必要だと思っています。そのなによりのキーが「言葉」なのです。

言葉があるから、デザインができる。そして、デザインの軸を整えるために、言葉がある。言葉とデザインはどちらも欠かせない要素だからこそ、おざなりにはできません。

中心にドンとシンボルを。“攻め”の新VIできあがり

ふくま:
割石さんは日頃、デザイン提案は一案のみで行うと伺っています。言語化を通して考え尽くした渾身の案ということですよね。今回は僕たちの希望を汲んでいただき、二つの案をご用意いただきました。

割石:

簡単にいうと、攻めの案と守りの案の二案です(笑)。

守りの案は、ヒアリングを通して行った言語化とデザインの基本を抑えた、ロジックごりごりのロゴマークです。円形で人の集まりを想起させ、それぞれのパーツも「人」という字のように見える。安定感があるので外さない案というイメージで作りました。

もう一つの攻めの案は、僕のイチオシでした。テテマーチが持つ自由さやこれからまだ成長できるという余白感を表現するために、自由なハンドライティングのような線で「M」を表現しました。カチッと決まりすぎない拡張性が、目指すテテマーチの姿に合っているなと。

もちろん、こちらの案にもロジカルな部分はありますが、自由さを取り入れることでエモーショナルな雰囲気も入れられます。「ワクワクを科学する(Creative×Scientific)」というスローガンとも合致していますよね。

ふくま:

たしかに。ロゴのど真ん中にサーカスのシンボルマークを置くのもチャレンジングですよね。これがとても良いアクセントになっていて……「これが良いね」とメンバーみんなで即決でした。

「M」をこういったシンボルマークにするアイデアはどこから生まれたものなのでしょう?

割石:

ヒアリングと制作の間の過程で考えついたものです。僕はデザイン制作を行うとき、ヒアリング後にデザインコンセプトやビジュアルイメージを考案するんです。お話を伺ってすり合わせた意思や言葉をもとに、デザインとしての方向性や、デザインに入れる要素を考えています。

今回定めたデザインコンセプトは「舞台を築き、灯(あかり)を灯そう」。

舞台を表現するサーカスの天幕、カーテン、スポットライトなどを構成要素として「M」の字に落とし込むことで、舞台が築かれる様子やショーの開幕などをイメージしてもらえたらと考えました。

ふくま:

サーカスを想起させるアイテムはとても多いので取捨選択が難しそうです。一つのアウトプットとしてきれいに着地させることができる点、そしてそのクオリティの高さには本当に驚きました。

割石:

サーカスをどのように表現するのかという点は、たしかにすごく迷いましたね。

もし社名に「サーカス」が入っているなら、どこからどう見てもサーカスだとわかるようなロゴマークが良いのかもしれません。ただ、テテマーチの社名にはサーカスという要素は含まれておらず、あくまで組織の雰囲気を表現するものがサーカスというだけ。

そういった状況で、サーカスというモチーフをどのくらい具体的に入れを出すのかという話をふくまさんにご相談しながら制作を進めていきましたね。結論、サーカスという意思さえ入っていれば、抽象度はある程度高くても良いのではないかという話になったので、今回のようなイメージで制作しました。

「テテマーチ」を代表する灯となれ

ふくま:
僕、一つ割石さんに聞いてみたいことがあるんです。

今回のご依頼では「サーカスのモチーフを入れたいです」と僕たちからオーダーをさせていただきました。もしも、そのモチーフが決まっていない状況で割石さんにロゴマークのデザインをお願いしたら、どういったものになっていたと思いますか?

割石:
え〜難しい質問ですねそれは(笑)。そういう想定を考えたことがないですが、少なくともサーカスというモチーフは登場しなかったでしょうね。

ふくま:
あっ本当ですか?

割石:
はい、おそらく(笑)。今回のロゴマークは、サーカスという起点があったからこそ生まれたので。モチーフがなかったとしたら、そもそも明確なモチーフを元にデザインしているのかどうかもわからないです。

ただ、テテマーチらしいフリーダム感や拡張性みたいなキーワードは、遅かれ早かれ生まれていると思います。

サーカスというモチーフをテテマーチのみなさんが見つけてくださったことで、今のロゴが生まれたので、とてもありがたい発見だったなと感じます。

ふくま:
そう言っていただけてすごく嬉しいです。サーカスのモチーフ、僕も気に入っているので(笑)。

今回、割石さんとの制作を通して、僕たちは自分たちの想いや意思を再発見する機会をいただきました。割石さんにはテテマーチとして大切なプロジェクトの根幹ともいえる部分を担っていただきましたが、制作を振り返ってみていかがですか?

割石:
今回、こうしてVIのリニューアルを担当させていただいて、VIは企業らしさをどれほど表せているのかどうかがとても大切なのだと改めて実感しました。

VIには法人の「人格」を直感的に表現する役割があります。堅いテイストのロゴマークなら真面目な印象を与えるだろうし、カラフルなロゴマークならハツラツとした印象を生む。中の人を知るより前に、法人の第一印象をつくる役割もあります。

だからこそ、「なんとなく良い」で創るべきものではないし、みなさん自身、VMVとの一体感が求められているなと、再認識しました。

ふくま:
テテマーチの目指したい姿を人格に例えたとき、その雰囲気をまとったVIであるかどうかが大切ですよね。ロゴマークのTPOの重要性を、今回のリニューアルを経て体感しました。改めて、納得度の高いデザインをテテマーチに提供してくださり、本当にありがとうございました。

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