2022年5月27日、テテマーチでは『TikTokマーケの必要性と他SNSとの違い』というセミナーを開催いたしました。
■開催の背景
Z世代を中心に盛り上がりを見せているTikTokは、日々トレンドが生まれたり、モノが売れたりと、SNSマーケティングの世界では、今や注目せざるを得ないを得ない存在となりました。
では、
・なぜ、こんなにも市場に影響を与えているのか?
・TwitterやInstagramとの違いはなにか?
・コアユーザー層であるZ世代は、どのように使用しているのか
本セミナーは、こういった謎を解明し、企業参入に寄与することを目的に開催されました。
■セミナーの流れ
セミナーは、以下の三部構成で開催されました。
第一部:TikTokのリアル
第二部:トークセッション
第三部:企業活用のイマ
その中で、今回は第一部の内容に絞ったレポートをお送りいたします。
■登壇者情報
テテマーチ株式会社 取締役
松重 秀平(まつしげ しゅうへい)
テテマーチ株式会社 取締役。2015年6月に創業したテテマーチ株式会社にてSNS事業の立ち上げを行う。現在はサブスクリプション型のSaaSであるInstagram分析ツール「SINIS(サイニス)」のグロースおよび、SNSの研究チーム「サキダチラボ」の所長を務める。
テテマーチ株式会社 取締役
三島 悠太(みしま ゆうた)
1993年生まれ。2018年にテテマーチJOIN後、プランナー兼ビジネスプロデューサーとして約200社以上のSNSマーケティングを中心とした戦略・企画設計を手掛けながら、Twitterキャンペーンツール「boite」やソーシャルコンテンツスタジオ「餅屋」などの立ち上げも行ってきた。現在はブランドの開発やグロースなどの支援事業をブランドプロデューサー兼事業責任者として手掛けている。
point:平均利用時間が大幅に伸びているTikTok
data.ai社の調査によると、TikTokの月次平均利用時間は、2021年3月から2022年2月の約1年で、7時間程度延びていることがわかりました。
TwitterやInstagramが横ばい状態であることを比較すると、大きな伸び率であると言えます。
point:マーケティングにおいては、まだまだ発展途上
利用時間では大きなシェアを取っているTikTokですが、
その一方で「ブランドとの出会い」はInstagramなどが勝っています。
shibuya109labの調査によると、新しいブランドの認知では、Instagramが51%と最も多く、次いでTwitterが48.5%という数字であったのに対して、TikTokは17%にとどまっていました。
その理由は、ユーザーの利用目的と、利用率にあると考えられます。
SHIBUYA109labの調査によると、各SNSの利用目的は以下の通りでした。
注目すべきは、Twitter、Instagramの目的の上位には、「調べる」「知る」といった、探索を目的とした利用が上位にあるのに対し、TikTokでは「暇つぶし」が上位に来ている。つまり、目的を持たずにプラットフォームに滞在している人が多いということが伺えます。
利用率の面からは、TikTokの伸びしろが伺えます。
平均利用時間では、他SNSを凌駕したTikTokでしたが、利用率の観点では、Instagramが51.9%、Twitterが46.6%だったのに対し、21.4%と他SNSを大きく下回っていました。
このことからTikTokのマーケティング市場は、
・他SNSとは異なるアプローチが有効になりうること
・利用率の観点で拡大の余地があること
上記が見えてきました。
point:本格的な購買・消費への影響はこれから?
TikTokの国内における年代別利用率からは、これからの企業参入について追い風になりそうなデータが確認できます。
10代の利用率は60%と高いものの、20代はその半数、30代は三分の一程度と、年代ごとに大きな差があることがわかりました。
これにより、
・10代主要ユーザーが、経年変化によって今後消費に影響を与えていく可能性が高いこと
・20代以降のユーザーの伸びしろが大きいことが見込まれること
ということが見えてきました。
point:「興味あり」の一歩先に出会える媒体がTikTok
今回のセミナーでは主要SNSの特性について、
Twitter:一般的なトレンドや口コミを、テキストで知る
Instagram:自分の”好き”が集まっている場所
TikTok:新しい”好き”が見つかる場所
と定義しました。
この定義から、TikTokでの接触は、ユーザーにとって受動的であると考えられます。
加えて、強力なアルゴリズムによる適切なレコメンドがあることを考慮すると、
「興味があるもの受動的に接触する」という機会が多いプラットフォームとも読み取れます。
point:企業活動にダイレクトに寄与するTikTok
2021年に発売された「日経トレンディ2021年12月号」内の「2021年ヒット商品ベスト30」特集で、「TikTok売れ」のワードが1位になりました。
point:興味を前提とした認知=好感認知
「コンテンツと受動的に接触する」という機会は、マスメディアと近いものがあります。
ただ、そのままだと「強制認知」にとどまります。
・顕在的なコンテンツに加え、潜在的なコンテンツまでもしっかりと届ける
この「好感認知」を生み出す媒体の特性こそが、企業とTikTokの相性の良さだと考えられます。
point:UGCを生む「投稿の言い訳」
TikTokには、コンテンツの拡散しやすさの他にも特性があります。
それは、コンテンツの生みやすさです。
本来、不特定多数に向けた動画コンテンツの投稿は、ハードルが高いです。
そのハードルを下げるのが、ブランドエフェクトの活用と、インフルエンサーの模倣です。
「みんなが使っているエフェクトだから」
「インフルエンサーがやっているダンスのマネだから」
このような、随所に溢れる「投稿の言い訳」が、UGCを促進していると考えられます。
point:ネガティブな拡散にも注意が必要
強力なアルゴリズムによってコンテンツが拡散されやすいTikTokでは、ネガティブなコンテンツも、同様に広まりやすいです。
実際に、「批判的なコメントによってエンゲージメントが高まり、より批判的なコメントが加速する」というシーンも多いです。
ターゲット層以外にも見られるコンテンツになるからこそ、制作にはより一層の注意が必要です。
point:TikTokが企業活動で必要な理由
ここまでお伝えした内容をまとめると、
①Z世代を中心に、生活者の居場所がTikTokに流れている
②「ミーム」の文化で、Z世代にの中にトレンド・UGCを生みやすい
③フル画面・音声あり視聴×接触回数の多さ×コミュニティ性という特性から、TikTok売れが起こる
上記となります。
TikTokを活用したマーケティングは、これまでアプローチすることが難しかった、Z世代を中心とした新しいユーザーと出会いの創出や、そのZ世代の話題になる可能性を秘めています。
ポジティブな話題づくりとセレンディピティを生み出すために、例えばコメント欄でのコミュニケーションまで想定するような、緻密な設計とクリエイティブが求められます。
■Z世代マーケ研究室「lookey(ルーキー)」について
Z世代マーケ研究室「lookey」(ルーキー)は、テテマーチのZ世代に特化したマーケティング機関です。Z世代のメンバーが、自分たちの価値観やインサイトを言語化し、企業向けに発信していきながら、等身大の消費者目線でどういうブランドだったら買いたくなるか?を考え、単に発信するだけではなく世の中に提案をし、構想・検証からクリエイティブ・プランニングフェーズまでZ世代が支援いたします。サービス内容や費用については以下までお問い合わせください。
〇担当:三島・川又
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